
【苦手トリガーチェック】
虫:あり、体内侵入:なし、身体損壊:あり(軽微)、子ども被害:あり(軽微)、動物被害:なし
事実関係・疑問点の整理
仕組まれた計画とその結末
●大きな出来事のおさらい
本作は、天使側と悪魔側が共謀、悪魔ルシファーの息子を人間界に呼び込もうとして、悪魔祓いのジョン・コンスタンティンに阻止される、というのがざっくりストーリーである。そのストーリー上の主な出来事は下記の通り。
①メキシコで青年が“運命の槍”を発見する
②ジョンが取り憑かれていた少女の悪魔祓いをする
③イザベルが自殺する
④ヘネシーが殺されるbyバルサザール
⑤ビーマンが殺されるbyバルサザール
⑥チャドが殺されるbyガブリエル
⑦マモンが送り返されるbyルシファー
⑧ガブリエルが人間にされるbyルシファー/神
⑨ジョンが延命されるbyルシファー
こうして見ると、人間側に一番貢献してくれたのは皮肉にもルシファーである。
●コンスタンティンのいる世界とは
それぞれの思惑を確認する前に、世界の設定を振り返る。
◆天国と地獄
人間界とは別に、天国と地獄がある。それぞれに暮らす天使と悪魔は、人間界に入れない。
◆ハーフ・ブリード
純粋な天使/悪魔と違い、人間界に居られる存在。天使側、悪魔側それぞれのハーフ・ブリードがいる。
◆人間とのかかわり
普通の人間にはハーフ・ブリードも人間にしか見えず、社会に混じって暮らしている。人間に直接力を行使してはいけない決まりがあり、囁いてチョット影響を与えるぐらいが許容範囲とされている。
◆ジョン・コンスタンティン
特殊能力で、ハーフ・ブリードの正体や、天使と悪魔の姿が見える、悪魔祓い師。かつてその能力を苦に自殺し2分後に生還。自殺は大罪なので、死後は地獄行きが決まっており、ルシファー@地獄はジョンの魂が来るのをワクワク待っている。
●思惑と行動
計画に関与したメンバーの思惑と、その行動は下記の通り。
◆マモン(ルシファーの息子)
父を出し抜き、協定を破って人間界に来て支配とかしたい!
➔アンジェラを器として人間界に入ろうとした
◆バルサザール(悪魔ハーフ・ブリード)
ガブリエルと協力してでもマモンを降臨させたい!
➔ジョンの仲間たち=計画の邪魔者を殺害してまわった
◆ガブリエル(天使ハーフ・ブリード)
『神に愛される資格がある』者を選別するために、悪魔を人間界に呼びたい!
➔バルサザールを利用しマモン降臨計画を進めた
本編だけでは、バルサザールがルシファーを裏切った真意は不明。マモンが人間界に来れば均衡が乱れ悪魔側の力が増す➔マモンがルシファーを超える支配者となり、貢献した自分の地位も向上する、あたりが動機だろうか。
●誤算はジョンとルシファー
途中までうまくいっていたマモンらの計画は、やがて狂い始める。
◆計画の要の露呈
バルサザールはジョンに脅され、計画の要(“キリストの血”)を話した。結局ジョンに撃たれ、ガブリエルによってトドメを刺された。情報漏洩に腹を立てたor用済みと判断したためと考えられる。
◆ジョンの覚悟
計画を知り元霊媒師ミッドナイトの協力も得たが、アンジェラは奪われ、チャズは殺され、ジョンはふっ飛ばされた。そのため、ジョンは賭けに出て自殺する。ジョンの狙い通り、魂を迎えに現れたルシファーは、真相を知るとさっさとマモンを地獄へ送り返した。更に、ガブリエルの羽を焼き、ただの人間へと変えた。
●【自己犠牲】のもたらしたもの
ジョンは、ルシファーとの交渉で、イザベルの魂を天国に送らせた。それが【自己犠牲】と見なされ、天国への道が開いた。しかし、ルシファーはジョンの肺ガンを治してまで延命したため、天国行きは阻止された。生きていればまた地獄行きの行いをするだろう、その時までは待っている、というメッセージだろうが……ルシファー、ジョンのこと好き過ぎ。
マモン降臨のために
純粋な悪魔であるマモンは、本来は人間界に来ることが出来ない。しかし、条件を満たせば降臨出来るらしい。
ステップ①運命の槍を入手
ステップ②霊感の強い健康な人間を準備する
ステップ③マモンがその肉体に憑依する
ステップ④憑依中に槍を刺し、染み込んだキリストの血が触れることで、マモンが人間界で実体化する
ステップ④は作中になかったパートなので推測が含まれるが、ガブリエルがアンジェラの腹に槍を刺そうとしていたことからも、そこまで大きな間違いはないだろう。なお、メキシコの青年は霊感が低かったのでマモンの器にはされず、槍運ぶマンへと変身させられるに留まった可能性がある。
疑問点いろいろ
●イザベルの自殺の意味?
自殺が大罪であると知りつつも身を投げたのは、悪魔に自らが狙われていることを察し、逃げられないことを悟っての最終手段だったと思われる。その上で、夢や監視カメラ、窓の伝言を通じて、アンジェラに真実を伝えようとし続けた。
●悪魔、人間界にきてたよね?
途中で『タロン』と呼ばれる悪魔が人間界に来ていた。悪魔来れるじゃん!と思いたくなるシーンだが、①低級だったのでハーフ・ブリード的な扱い、②“運命の槍”やマモンの影響で揺らぎが出ている、などの可能性がある。
●ガブリエルに何が起きた?
悪に組みしたことや、神の意思を無視して人間を試そうとした”思想”に対する罰として、神から見放された模様。加護が外れたため、ルシファーの攻撃を食らったと思われる。あれほど嫉妬していた“人間”になったものの、ジョンに対し怒りに任せて自分を殺せと煽る。殺さなかったら、『You chose a hither path!(より高潔な道を選びましたね)』と煽る。羽を焼かれようとも、上から目線が止まらない。
●チャズに何が起きた?
神から見たら『自己犠牲』との判断だったのだろう。チャズは天使側のハーフ・ブリードとして生まれ変わった。純粋な天使になったという説も考えたが、下記の点からハーフ・ブリード転生説を推したい。
◆もともと人間だったため、そこからは【純粋な】天使にはなれない(はず)
◆作中、金に光る眼はハーフ・ブリードを現している
◆ジョンのような“天国へ行く”演出が一切ない
最後にジョンはチャズの墓石にライターを置いて禁煙を誓う。それは単に今回の事件を受けて反省しただけでなく、チャズの尊い行いに報いるためだったようにも取れる。
感想
厨二病もここまで昇華されれば胸を張れるというもの。スーツに身を包みクールな武器で戦う愛煙家コンスタンティンは、現役の厨二病も、かつての厨二病も虜にするカッコ良さだった。
更には敵役も魅力爆発していた。ティルダ・スウィントン演じるガブリエルは、或いはコンスタンティンのインパクトを超えて視聴者を魅了したと思われる。中性的通り越して無性別、みたいなビジュアルが、ガブリエルというキャラクターの説得力を倍増させる。場面ごとに変わる衣装もどれもシンプルだが洗練されているし、日本語では敬語キャラなのも解釈一致である。そしてピーター・ストーメア演じるルシファーも、悪魔なのに白いスーツで何故か素足という出で立ち、飄々として感情が見えない雰囲気、それでいて作中最強という美味しいキャラで、ジョンが大好きな部分も含めて最高だった。
原作漫画ヘルブレイザーと比較すると全く異なるため、原作ファンだった場合に受け止め方は異なるのかも知れないが、映画単体で考えると、魅力あふれる世界観やキャラクターのダークファンタジーとして、とても面白かった。
基本情報
【公開年】2005年
【監督】フランシス・ローレンス
【キャスト】キアヌ・リーブス、レイチェル・ワイズ、シャイア・ラブーフ、ジャイモン・フンスー、ギャヴィン・ロスデイル、ティルダ・スウィントン、ピーター・ストーメア
【登場人物】ジョン・コンスタンティン(悪魔祓い)、アンジェラ・ドッドソン(刑事)、イザベル(アンジェラの双子の妹)、チャズ・クレイマー(ドライバー)、パパ・ミッドナイト(バーのオーナー)、バルサザール(ハーフ・ブリード/悪魔)、ガブリエル(ハーフ・ブリード/天使)、ルシファー(悪魔)
【ポストクレジット】あり





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