
【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり(軽微)、子ども被害:あり、動物被害:なし
事実関係・疑問点の整理
父の殺害から始まる事件
ソフィーの再婚相手であるポールは、突然夜のオフィスで殺害される。その後、ソフィーの息子マーティンが睡眠障害に陥り、異父姉弟のレベッカも巻きこまれていく、という流れである。ポールが殺された理由は、ダイアナの正体に近づき過ぎたから、と推測できる。彼はかなりショッキングな殺され方をしていたが、そこまで大事件として扱われた様子はなかった。
精神寄生系悪霊?
●暗闇に潜む母の“友達”
ポールが集めた資料などから判明した、ダイアナに関する情報は下記の通りである。
◆13歳の時、地下に閉じ込められているところを発見される
◆父親は自殺していた
◆珍しい皮膚疾患で噂も絶えず『悪魔の子』とも呼ばれていた
◆マルベリー・ヒル病院に入れられ、うつ病で入院していたソフィーと出会う
◆実験的治療(かなり明るい光の照射)で死亡
それらの情報から、レベッカは【死んだダイアナの霊的なものが、ソフィーを介して現実に干渉している】と推理した。
●死後のダイアナ
作中で明らかなのは、暗闇で実体化し、明るいところでは消え、ソフィーの死によって消滅するという3点である。そこから【ソフィーの精神に寄生して実体化する悪霊的なもの】という推測が出来る。しかし、かなり雰囲気重視となっており、細かい疑問点は解消できない。
◆行動範囲が広すぎる:ソフィーがいない場所にも登場するダイアナ。ソフィーの精神状態がかなり悪化していたので、パワーが増して行動範囲が広がっていた可能性がある。
◆精神リンクシステムが曖昧:たとえばソフィーが寝ている間は、ダイアナの行動に影響は出るのだろうか。エネルギー供給源としての寄生であれば、ソフィーの意識の有無などは関係なさそうである。しかし、その辺りが分かる描写はなかった。
◆実体化条件が不明:暗いと現れる、電気をつけたら消える、というのは明確だが、めっちゃ明るい月夜は?昼間に遮光カーテンをしていない場合には?など、細かい点は描かれなかった。
●そもそも「人間」だったのか
人の頭に入り込んで性格を変えるという証言、地下での発見時、父が壁に描いたと思われる血文字『SHE IS IN MY HEAD』からすると、生前から人の精神や意識に作用する力を持っていた可能性が高い。母親については全く触れられておらず、そもそもダイアナが人間だった、と断定できる根拠すらないのだ。光に極端に弱い皮膚疾患というのも、悪魔的な物を連想させる。
説得力はないが魅力はある人間関係
コンパクトな作品で、人間関係の描写はそこまで深いものではない。それでも、魅力的なポイントはいくつかあった。
●レベッカとマーティン
レベッカの家に写真があったので、本作以前にも親交はあったのだろう。しかし、その頻度や関わりの程度は不明である。それでも、他人を自宅に泊めたがらないレベッカがすぐに預かると決意するくらいには、心を許していた存在だったようだ。自分の命の危機があっても最後までマーティンを守るべく戦い続ける姉の姿には、親子の絆とはまた別の感動があった。ソフィーがマーティンに「レベッカは辛い時に自分を見捨てた、だから信じるな」などトンデモなことを言っていたが、マーティンにはレベッカの真の強さが伝わっていたことだろう。
●レベッカとブレット
バンドマンのブレットは、レベッカの彼氏っぽいポジションで、チャラついたいい加減な男風に登場する。しかし、マーティンを受け入れると決めたレベッカを冷静に嗜めたり、レベッカ宅の空っぽの冷蔵庫を補充に行ったり、ラストでは「俺は逃げない」を前フリと思わせておいて、しっかりパトカーを引き連れて戻ったりと、根っからのいい奴だったことが判明する。さすがにバックグラウンドが皆無だったため、キャラクター造形に少々説得力は欠けるものの、いい意味でギャップを感じられて印象的だった。
感想
約80分のさっくりホラーなので、そこまでややこしい話もなく、かなり気軽に楽しめる作品である。逆に言えば、サクサク進んでいき、ソフィーたち家族のことも、ダイアナについても、あまり掘り下げられていない。そのため、ご都合展開に感じられる面も多いが、勢いはあるし何よりレベッカたちの行動力のお陰でストレスなく見られた。それにしても、『電気消えてるとこって、なんか潜んでそうだよね~』という日常の小さな恐怖ポイント一つでこれだけ話が膨らむのは凄い。
(推測が正しければ)『生きている人間の記憶・意識・精神に依存した、実体を持つ悪霊』という、あまり他では見ない設定の悪役ではあるので、もっとダイアナについて作中で見たかった気持ちもある。「暗いところになんかいそう」からの本作、と同じくらいの膨らませ具合で、「父親が娘の目のまえで血文字を残して自殺した写真」からの1作品くらいなら、膨らませることは可能だろう。是非、どこかで前日譚を見てみたいところだ。
基本情報
【公開年】2016年
【監督】デヴィッド・F・サンドバーグ
【キャスト】テリーサ・パーマー、ガブリエル・ベイトマン、ビリー・バーク、アレクサンダー・ディペルシア、マリア・ベロ
【登場人物】レベッカ、マーティン(レベッカの弟)、ポール(マーティンの父)、ブレット(レベッカの彼氏)、ソフィー(レベッカの母)
【ポストクレジット】なし





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