【考察】映画『エイリアン4』|再び登場した【リプリー】と新たなエイリアンの正体

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:あり、身体損壊:あり、子ども被害:なし、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

培養槽に入った女性が、リプリーの血液から作られたクローンの8体目であることや、体内のエイリアンまでクローン生成されたことが、序盤に怒涛の勢いで明かされる。そして民間貨物輸送船ベティ号が、研究施設に“荷物”として人間を運び入れることで、物語は大きく動き出す。

●リプリー8号
3作目で死亡したオリジナルリプリーの冷凍血液から生成されたクローン。彼女の前に1~7号が生成されていたが、8号だけが成人女性の形状・機能を持ち、体内エイリアン摘出後も生存していた。体内エイリアンの存在に加えて、リプリー8号自身も、高い身体的能力や酸性血液といったエイリアンの特性を持った状態となっている。

●研究施設メンバー

◆ペレズ将軍:オリガ号船長であり、エイリアンの軍事利用を企んでいる側。
◆レン:博士。本作で最も非人道的。宿主を”食わせる“際、他の研究員たちは心を痛める素振りも見せる中、一人満足そうにしていた。
◆ゲティマン:研究員。エイリアン限界オタクなので、ガラス越しにエイリアンとのキスを試みたり、クイーンを前に変なポエムを語ったりしてしまう。
◆ディステファノ:軍人。終盤、軍隊サイドを裏切り、ベティ号メンバーと行動を共にする。

●ベティ号メンバー

◆エルジン:船長。ペレズとのやり取りでは、相手を揺さぶり、切れ者系を演出。しかし『一目散に逃げるべき場面で横道に行く』という、ホラー映画のダメムーブをかます。
◆ヒラード:操縦士兼エルジンの彼女。彼女の性格を掘り下げるようなエピソードもほぼないまま、水中エイリアンによって連れ去らる。
◆クリスティー:クールで頼れる副官。銃のプロフェッショナルで、跳弾リコシェの魅せプを披露。梯子を前に迷うことなくブリースを背負うと言ったり、漢気の塊だった。
◆ジョナー:保安員。若干思いやりに欠けるところはあるが、簡単には仲間を見捨てない熱い男である。
◆ブリース:下半身不随の技術者。やられ要員だろうと見せかけて、仲間の手を借りながらも粘り強く戦っていた。
◆コール:アンドロイドが作ったアンドロイドで、作中ではロボット二世(英語ではAutonオートン)と呼ばれている。過去作のリプリーに近い役回りを担う異色のアンドロイドとなっていた。

●パーヴィス
貨物室で発見された一般人。『ニッケル鉱へ行く冷凍睡眠』と思っていたのに、起きてびっくり、エイリアンに寄生されていたという真の犠牲者。

●ニューウォーリアー
リプリー8号から摘出されたクイーンの卵から生まれ、人間に寄生し成長した個体。基本的なデザインはビッグチャップやウォーリアーと似ているが、仲良く相談して脱走する、冷却ガスのスイッチを押し噴射する、水中を滑らかに泳ぐ、動線を把握して罠を仕掛けるなど、知能も運動能力も過去のエイリアンよりかなり高いように見える。12体すべての動向は把握できないが、ペレズの手りゅう弾、リプリーとジョナーの銃で死亡した以外の個体は、オリガ号の爆発で死亡したと見られる。

●クイーン
リプリー8号から摘出された個体が成長したもの。リプリーの遺伝子情報の影響で子宮を持ったとされているが、作中ではいつ、どうやって獲得したかは明言されていない。多産型から少産型へのシフトは非効率にも見えるが、宇宙船内という閉じた環境で、【1体の強い子どもを生んで生存率を上げる選択】をしたという考察はできそうだ。

●ニューボーン
クイーンから初めて胎生した個体。外観はかなり人間の特徴が強く、つぶらな瞳には感情すら宿っているように見える。何故かクイーンを敵とみなしてすぐに殴り殺し、リプリーを慕っていた。リプリーの方が自分に近い種だと判断したのだろうか。

人間としてのリプリーは既にエイリアン3で“解放”されていることもあり、本作は【リプリーという存在】自体への決着を描いたともとれる。だからこそ、エイリアンの性質を持つ8号が生き残ってしまったのは、人間リプリーの遺志を思うと複雑だ。一方、エイリアン駆逐してやる派として登場したアンドロイドのコールが誰よりも人間らしく振舞っていたことは、リプリー不在の穴を埋める以上の深みを感じた。

今回ウェイランド・ユタニ社からUSMへ黒幕組織は変わったものの、人間はその欲深さで痛い目を見るといった寓話的側面は変わらなかった。倫理観度外視の実験を繰り返す傲慢さ自体、人間の愚かさの象徴だろう。

正直エイリアン3の完結感が凄まじく、絶対に蛇足にしかならないと思っていたので、いい意味で裏切られた。好き系のキャラクター(ジョナーやクリスティー)とイケてるニューウォーリアーズとのバトルなど、アクションとしてもとても楽しめた。シリーズの正統続編というよりもAVP的なポジションの作品として、定期的に見たい一作である。

シリーズのまとめ記事はこちらから☟

基本情報

【公開年】1998年
【監督】ジャン=ピエール・ジュネ
【キャスト】シガニー・ウィーバー、ロン・パールマン、ドミニク・ピノン、マイケル・ウィンコット、ウィノナ・ライダー、ゲイリー・ドゥーダン、キム・フラワーズ、ダン・ヘダヤ、J・E・フリーマン、ブラッド・ドゥーリフ
【登場人物】リプリー8号、ジョナー(ベティ号保安員)、ブリース(ベティ号機関長)、エルジン(ベティ号船長)、コール(ベティ号技師)、クリスティー(ベティ号副長)、ヒラード(ベティ号操縦士)、ペレズ将軍(オリガ船長)、レン(博士)、ゲディマン(博士)
ポストクレジットなし

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