【考察】映画『エイリアン2』|新たなエイリアンがリプリーと熟練の兵士たちを襲う第二の悲劇

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:あり、身体損壊:あり、子ども被害:あり、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

物語は前作のノストロモ号事件から57年後、広大な宇宙空間を漂っていたシャトルが奇跡的に回収され、リプリーが目覚めるところからスタートする。LV426に作られたコロニーからスラコ号までバトルは続いたが、最後はエイリアンを宇宙空間に放り出してリプリーが勝利した。リプリーがエアロックでエイリアンクイーンをぶら下げたまま耐えるシーンは少しツッコミたい気持ちになったが、そこは許容範囲である。

●コロニー:ハドリーズ・ホープ
LV426は、大気を呼吸可能にする装置が設置され、既に60世帯以上が暮らす「ハドリーズ・ホープ」という名のコロニーとなっていた。中盤でヒックスが『救援が来るまで17日』と話していたことから、通信が途絶えてからスラコ号が到着するまで、最低でもその程度の日数が経過していたと推測される。

●海兵隊
序盤は軽口を叩き、全体的に舐めたムードが漂っていた。だが、装備も技術も確かであり、後半ヒックスとリプリーが指揮を執るようになってからは合理的に動いていた。隊員たちも、そして彼ら(特に経験不足のゴーマン)を配置した上層としても、LV426で起きていることをかなり過小評価していたのだろう。結局優秀な面々を次々と失いヒックス以外が全滅してしまった。

●バーク
本作における“悪役”。リプリー回収後(おそらく)ナルキッソスの記録にアクセスし、LV426にある遺棄船の座標を手に入れ、入植者を探索に向かわせた(完全版でニュートの家族だったと判明)。それが会社の指示・意図ではなく、バーク個人の暴走であることはセリフからも明らかであり、探索がきっかけでコロニーは壊滅したのだから事実上の犯人である。さらに、リプリーとニュートを利用してエイリアンを密輸しようとも企むなど悪知恵しか働かない男である。ラストは無事エイリアンに捕獲されて、皆の溜飲を下げた。

●ニュート
コロニー唯一の生存者。小柄な体を生かし、エイリアンに襲われない空間を見つけて立てこもり生き延びていた。リプリーには信頼を寄せて、最後はママと呼ぶなど疑似母娘となる。本作を母VS母として描くにあたり重要なキャラクターだった。

●ビショップ
WY社製アンドロイド(人工人間)。リプリーに初対面から嫌われていたが、最終的には作戦の要となり、文字通りニュートの命綱ともなった。エイリアンクイーンの尾で刺された上に体を真っ二つにされるというグロ展開を迎えるが、飛び散るのが牛乳なので緩和されていた。

●全体的な設定変更
前作と異なり【デカい女王が卵を産む】という蟻に近い設定に大幅変更された。それ以外にも、血液の酸度が弱まっているようで、その影響もあってか近接戦闘/発砲がバンバン行われていた。

●エイリアンウォーリアー
成体ゼノモーフの一種。働きアリ的役割で複数存在し、人間を殺したり、連れ去って繭にしたり、エイリアンクイーンを守ったりする。ビッグチャップと異なり頭部には半透明フードがなく中身が露出している感がある。言葉を交わしている様子はないが、クイーンの指示を理解し従う場面があった。

●エイリアンクイーン
周飾頭類恐竜のような特徴的な頭部。サイズも大きく(ビッグチャップの2倍程度)、腹部に卵管がありそこから大量の卵をねちょねちょ産み出す。高い知性と母性があるらしく、作中リプリーと『交渉』しているような描写があった。

すでに敵の正体を知っているので、前作と同じ系統でのホラーではマンネリ化する、だからアクションに振る、というのは分かる。実際、派手な銃撃戦は見ていて面白かった。しかし、エイリアンの生態が改変され弱体化した感があるのは残念だった。

一方で、リプリーの魅力的な部分は引き継がれており、そこに“母”という新たな側面も加わって一層応援したくなった。また、ビショップの存在が光っていた。前作を見ている層なら、リプリー同様アンドロイドに警戒したくなるところだろう。だが、彼は最後までリプリーたちを裏切らなかった。それは単純に【会社からの特別指令がなかった】だけかも知れないが、それでも彼が人命優先の”プロトコル”に従いニュートを守り切ったことは、見ている側にも感動を与えた。またその後の彼の振る舞いを見ていると誰よりも“人間らしさ”を感じさせたし、本作において断トツで深みのあるキャラクターだろう。体が真っ二つなのにかっこいいと思ったキャラは、ビショップが初めてである。

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基本情報

【公開年】1986年
【監督】ジェームズ・キャメロン
【キャスト】シガニー・ウィーバー、キャリー・ヘン、ランス・ヘンリクセン、マイケル・ビーン、ビル・パクストン、ジェニット・ゴールドスタイン、ウィリアム・ホープ、マーク・ドレイク、マーク・ロルストン、アル・マシューズ、ポール・ライザー
【登場人物】エレン・リプリー(ノストロモ号生存者)、ニュート(コロニーの少女)、ビショップ(アンドロイド)、ドウェイン・ヒックス(海兵隊伍長)、ウィリアム・ハドソン(海兵隊特技兵)、ジェニット・バスクェス(海兵隊狙撃手)、スコット・ゴーマン(海兵隊中尉)、マーク・ドレイク(海兵隊機関銃手)、アル・エイポーン(海兵隊軍曹)、カーター・J・バーク(ウェイランド・ユタニ社員)
ポストクレジットなし

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