
口を閉じてなさい!(物理)
【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり(軽微)、子ども被害:なし、動物被害:なし
事実関係・疑問点の整理
ウィジャ使用後の出来事
●使ったら、死ぬ
本筋はとてもシンプルで【ウィジャボードを使い呪われた若者たちが死ぬ】という話である。ちなみに、デビーはウィジャボードを使ってから死ぬまでが2週間あったが、レインの友人たちはウィジャを使ってから(時間経過が端折られていなければ)約1週間で3人死亡している。じっくりと適切な対処を検討して実行するという時間はほぼない。
●“呪い”は気まぐれ
ピートの死因は不明だが、死に至る流れは全員違うようだ。
◆デビー:クリスマスの電飾を自分で巻いて首吊り自殺(デビー宅)
◆イザベル:体が浮き、洗面台に頭を強打、その後転倒して死亡(イザベル宅)
◆ピート:自身も口を縫われ白目になる、その後何らかの理由で死亡(恐らくピート宅)
◆トレバー:プールへ転落、カバーに巻き込まれるように溺死(デビー宅)
一度呪った相手であれば、デビーの家にいなくても殺せると言うことだろうか。てっきり耳元で囁くことでマインドコントロールし自殺に追い込む戦法かと思いきや、物理攻撃=浮かせたり吹っ飛ばしたりもできる。【出来ること】【出来ないこと】がよく分からなかった。殺害の順序も謎である。
呪いの”真相”と真実
●新聞記事
屋根裏から発見された写真を元に、ピートは脅威の調査能力で過去の記事へ辿り着いた。記事の内容は下記の通り。
・デビーの家には昔、ザンダー家が住んでいた
・ザンダー家の次女、10歳のドリスが行方不明になった
・行方不明事件に母親の関与が疑われている
・ドリスの姉ポーリーナ(リーナ)が母親殺しの罪で精神鑑定へ
更にリーナがフーバー精神科病院に入院していることも調べ上げ、翌日にはレインが病院へと向かった。昔は個人情報の管理が甘かったことを加味しても、ピートの特典班っぷりが凄まじい。
●呪いを止めるには
藁にもすがる思いでレインはリーナに助けを求める。するとリーナは意外にも、家にたくさんの悪霊がいたこと、母が霊媒師だったが、死の世界へつながる道を断てなくなったことなどをペラペラ話した。それは、母の霊こそが排除すべき悪霊のような語り口だった。そして【ドリスの口の糸を切る事で、ドリスが母を止められるかも知れない】というのが、リーナの示した解決策である。レインはすぐさま実行に移した。
●真実
その晩ピートが死んだため、呪いが終わっていないと悟ったレインは、翌日再びリーナの元へ向かい糸を切ったことを告げた。するとリーナは『妹は自由になった』と喜びを見せた。そこで初めてレインは、ドリスこそが悪霊に憑かれた存在であり、口の糸を切ったことでむしろ解放してしまった真実を知るのである。
●そうは言っても
そもそも、リーナは「悪霊の言葉を遮るためにドリスの口を母が縫った」と正直に話していた。ドリスが悪霊の言葉を告げる=ドリスも悪霊の可能性もあるのでは?と思い至るチャンスはあった。一刻も早く解決しないと死ぬという焦りから判断が鈍ったのかも知れないし、それほどリーナの話し方の”罠”が巧妙だったとも言える。いずれにしても、初対面の人間が言う根拠に乏しいアドバイスは、疑ってかかるべきという教訓である。
●リーナの真意は
リーナは「妹を助けると約束した」「助けてあげればドリスは私をすきになってくれる」などと言っていた。事実だけを見れば主人公サイドが裏切られた形だが、そこに悪意があったとは断定できない。例えば、過去の事件以降ずっと彼女に呪いが残っていた可能性がある。その場合、彼女の発言や、ドリス解放への誘導は【憑依・催眠状態で操られていた】からとも考えられる。しかし、本編中で明確に描写されていないことから、いずれも断定できない。他の可能性として、①単なる妄想か精神疾患による判断ミス、②母殺害時点で実際にドリスの霊と約束をしていた、なども考えられる。
呪いの解除は簡単だった
●真の対処法
レインたちはノナに経緯を話してアドバイスを求める。すると【ドリスの遺体とウィジャボードを燃やすことで解決する】という、とても簡単な対処法が提示された。レインとサラはすぐさまデビーの家に行き、実行する。多少の抵抗はあったものの、焼却炉に肉体が放り込まれたドリスはあっさり消滅し、レインとサラは助かった……と思いきや、という描写で本作は終わる。ちなみに、ノナについては、レインの家の家政婦で長年従事しているだろうことは読み取れるが、それ以上の背景については不明である。
●ドリスを解放した意味
ドリスは、口の糸を切られずとも、作中で2人を殺害している。うち1人は遠隔で、体を宙に浮かせて殺すという荒業をやってのけている。糸を切られてからは、ピートとトレバーを殺害するものの、レインとサラには結局敗北している。糸を切ってパワーアップするイメージだったが、実は特に変化がなかったのではないだろうか。母親の霊は一喝で消し去ったが、デビーには叫び声一つ上げられないままだった。その辺りの設定や描写のブレが、呪い自体を微妙に見せてしまう一因でもある。
感想
王道のウィジャボードティーンホラーという感じで、物騒過ぎる割に中身がなにも伝わらないタイトル以外、印象に残らない系統だった。主人公が不用意に周りを巻き込みまくって自分だけ助かるパターンなので、限りなくモヤモヤする。ちゃっかり助かってんじゃねー!と思ってしまうのだ。トレバーに至っては、ビビり倒していたのに最後まで残された上で呪い解除直前に殺されてしまい、不憫過ぎた。
なかなかのご都合展開も気になったところだ。たとえば、ノナはレインたちに相談を受けると秒で正解を教える。何者だよ!とツッコまざるを得ない。その割に、呪いの解除に同行する話も出なければ、家で二人を案じる描写もなく、本気で心配しているのか不明である。また、デビーの霊も唐突だった。ウィジャ使用中さえずっと気配すらなかったデビーが突然現れて、しかも強敵ドリスと普通に張り合うのは不自然である。姿を現したのがデビーの意思であれば、もっと早く出て来いよの気持ちだし、彼女の意思でないならレインに都合が良すぎる話だろう。
続編が前日譚になるパターンなのだが、そちらを見ないとすっきりしないのが更にマイナスポイント(ただし続編を見てもすべての疑問が解消されるわけではない)。続編の方が個人的には好きだった。
続編のレビューはこちら:【考察】映画『ウィジャ ビギニング~呪い襲い殺す~』|家に隠された秘密が呪いとなった
基本情報
【公開年】2014年
【監督】スタイルズ・ホワイト
【キャスト】オリヴィア・クック、アナ・コトー、ダレン・カガソフ、ビアンカ・サントス、ダグラス・スミス、シェリー・ヘニッヒ、シエラ・ホイヤーマン、リン・シェイ
【登場人物】レイン・モリス(高校生)、サラ・モリス(レインの妹)、トレバー(レインの友人)、イザベル(レインの友人)、ピート(デビーの恋人)、デビー・ガラルディ(レインの親友)、ドリス・ザンダー(少女)、ポーリーナ・ザンダー(ドリスの姉)
【ポストクレジット】なし





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