
【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり、子ども被害:なし、動物被害:あり
事実関係・疑問点の整理
シンプルにサメVS人間
本作は、遺伝子操作により脳を大きくされた『賢い』サメたちによって、それを生み出した側の人間たちが次々に殺されていくストーリーである。サメ映画の王道とも言うべき寓話的な設定で、欲をかいた人間はもれなく死亡していく。ジムが腕を食われてからは、サメの攻撃や施設のトラブルによってテンポ良くカーターたちが追い詰められていくのだが、予想外の展開も多く、最後まで見どころが続いた。
予想外ポイントを振り返る
本作が90年代を代表するサメ映画となった要因の一つには、『VFXを用いたリアルな巨大生物が人間を襲う』という、(当時の)流行パターンを取り入れたことが挙げられるだろう。しかしそれだけではない。やはり下記のような『予想外』の連続で、最後まで新鮮なハラハラ感が続くこと、それが一番の魅力といえる。
●序盤でさっさと人が死ぬ
ボートでイチャイチャシーンは、逆に「死なないんかーい!」という予想外ではあった。そのため、ひょっとしてコレ、なんやかんやうまいこといって、あんまり死なない系のサメか?みたいな先入観を与える。しかし、実験成功のハッピームードの中、突如ジムが腕を食われ、ストレッチャーが落ち、ヘリが施設に激突して、ヘリの乗員も通信係もあっという間に死亡する。この怒涛の展開によって、死なない系のサメではないことが明らかになる。
●サミュエル・L・ジャクソン、死ぬ
やたら「生還」マウントを取ってくるキャラクターで、会社の社長で、しかも演じているのがサミュエル・L・ジャクソンということで、フランクリンはそう簡単に死なないだろうと予想していた人は多いだろう。そんな彼が、ペラペラと語っている最中に後ろからサメに持っていかれる衝撃はすさまじかった。サメがいると分かっているなら、水場に近づいてはいけないという教訓でもある。
●プリーチャーがいい味
プリーチャーは非戦闘員(コック)で、ペットと行動し、キッチンという逃げ場のない空間に入り、負傷して流血し、神に祈りを捧げる、そしてコメディリリーフ……これはもう、どこかでサメに食われるやつ。誰もがそう思ったはずだ。しかしプリーチャーは違う。フラグをバキバキにへし折って生還するだけでなく、最後まで大活躍するのだ。実際、実験サメ3匹中、2匹にトドメを刺したのは彼である。
●ちゃんと溜飲を下げる
エンタメ映画でも、自己犠牲は尊い行為として、生き残りルートが用意されることが多い。ところが本作にかかれば、囮を買って出たスーザンはきっちり落とし前を付けられる。そもそも彼女の実験がこの騒動の直接の原因でもあるので、仮にカーターとともに生き残ったのがスーザンだった場合、本作後にちゃんと痛い目に遭うんだろうなぁ!?みたいなモヤモヤが残っていたはずだ。そういう意味では、なるべくしてなった結末とも言えるかも知れない。
本作の敵:アオザメ
●本来の生態
世界最速級のサメと言われており、冷たい海中でも素早く泳ぎ続けられる。基本は外洋で活動しており、広い空間を直線的に泳ぐことに長けている。逆に狭い空間では壁に激突しやすく、外洋性の魚を閉鎖空間に閉じ込めること自体のストレスなどもあり、飼育は難しいと言われている。それでも、スーザンらが研究対象としてアオザメを選んだのは、脳の大きさと、活発な神経系の活動を期待してのことだと推測できる。
●実験サメ3匹
第一世代2匹、第二世代1匹の、計3匹。遺伝子操作によって、脳のサイズアップに成功した。それに伴って(なぜか)体格も大きくなっている。脳が大きくなったことで、知能の高さも人間の想像を遥かに超えたようだ。カーターが語った“反乱”の動機は、施設の水没➡鉄製の柵から脱出➡深く青い海へ出てフリーダム!というものである。本当にそこまで高度な計画をサメたちが考えていたかは確かめようがないが、その説に納得してしまうくらいの行動ではあった。
感想
(現時点で)個人的にサメ映画ナンバーワンである。初めて見た時には、ジムの腕が食われた時の衝撃が収まらないうちに、次々事故が起きてはあっという間に仲間が死んでいく展開の速さに、アドレナリンがドバドバだった。フランクリンが死亡して以降は、もう誰でも死に得るのだという緊張感で、全部が死亡フラグに見えてくる。プリーチャーが地味に生存を続けるなどの逆予想外も多く、最終的な生存メンバー含めたオチもスッキリポイントが高かった。科学的には嘘っぽい部分もあるが、それを突っ込ませる間もない勢いと面白さなのである。
アオザメはこの作品で初めて知ったのだが、あのシュッとした見た目で、気性が荒く、泳ぐのも速く、ホラー映画にうってつけのサメちゃんだ。そんなサメたちを捕獲し、勝手に遺伝子操作で脳を大きくしておいて、殺されそうになったら感電させたり爆破したり、余程、人間たちの方が醜悪だった。スーザンがちゃんと責任を取って終わったのが、本当に良かった。
基本情報
【公開年】1999年
【監督】レニー・ハーリン
【キャスト】サフロン・バロウズ、トーマス・ジェーン、サミュエル・L・ジャクソン、ジャクリーン・マッケンジー、マイケル・ラパポート、ステラン・スカルスガルド、LL・クール・J、アイダ・タートゥーロ
【登場人物】スーザン(アクアティカ医学研究部部長)、カーター(サメの“番人”)、ラッセル・フランクリン(キマイラ製薬の社長)、ジャニス/ジャン(海洋生物学者)、スコギンズ/スコッグス、ジム(医療学者)、プリーチャー(コック)、ブレンダ(通信係)
【ポストクレジット】なし





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