
【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり、子ども被害:なし、動物被害:なし
事実関係・疑問点の整理
犯行の実態と動機
●メタホラー・スラッシャー
本作は、登場人物たちが「ホラー映画のお約束」を理解しており、その前提に立って進んでいくスラッシャー系ティーンホラーである。真相として、ゴーストフェイスマスクを被って残虐な犯行を繰り返していたのは、ビリーとスチュアート(以降スチュー)の二人だった。大抵、マスクを被った連続殺人鬼=一人と相場が決まっていたので、そこがサプライズ要素でありトリックになっていた。
●動機とは
作中で、シドニーの母、モーリーンの殺害もビリーとスチューの犯行だったことが明かされる。その動機としては、『ビリーの父とモーリーンが浮気、それを苦に母親が出て行ったから』という旨をビリーが語っていた(実際に浮気していたのか、母親の家出の理由が浮気なのかは不明)。しかし、1年経って、今回の事件を起こした動機そのものは語られない。少なくともスチューには個人的な怨恨などはなく、ビリーに誘われてノリで付き合ったような口ぶりだった。結局、ホラー映画に感化され、謎の万能感に支配された男子高校生たちが、遊びの延長で引き起こした事件のようにしか見えないのである。
ゴーストフェイスの活躍
ビリーとスチューは、うまく役割分担をして、互いのアリバイを工作しつつ犯行を重ねていった。作中で明確にならない部分は推測となるが、ビリーのネタ晴らし前までは、下記のような役割分担だったと考える。
| 被害者 | 内容 | 実行役 |
|---|---|---|
| ケイシー | 着信 | ビリー |
| スティーヴ | 殺害 | スチュー |
| ケイシー | 殺害 | スチュー |
| シドニー | 家で襲撃 | ビリー |
| シドニー | 着信 | スチュー |
| シドニー | 学校で襲撃 | ビリー |
| 校長 | 殺害 | ビリー |
| テイタム | 殺害 | ビリー |
| ケニー | 殺害 | スチュー |
| デューイ | 刺傷 | スチュー |
ケイシー殺害については、脚本家が「スチューがやった」と以前twitterでコメントしていたらしいが、首元を押さえてナイフを振り上げる仕草はビリーっぽくもある。ただ、直後にビリーがシドニー宅に登場する点なども踏まえ、ケイシー&スティーヴともにスチュー犯行説を取りたい。
スチュー宅でのパーティーでは、多くの生徒たちが帰宅するまでスチューは集まりの中心にいた。その時間帯の犯行は、パーティーに不参加だったビリーだと推測できる。一方、ビリーが刺されたフリ以降は、そのままスチューが犯行を重ねる方が自然な上、屋外から戻る描写があるなど、スチュー説を裏付ける状況が多い。
ツッコミの余地がある点
大好きな作品ではあるが、そうは言ってもツッコミポイントだなという点がいくつかある。あえての演出と捉えられる部分もあるが、代表的なものを指摘しておこう。
●計画のガバガバさ
調子ノリ高校生の犯行なので、その稚拙さを表していた可能性はあるが、まあまあ詰めの甘さが見られる計画ではあった。
◆実は結構反撃に弱い➡場合によっては序盤のシドニー襲撃で計画が終わっていた
◆白昼、ゴーストフェイス姿でうろうろしちゃう➡バレるリスクが高すぎる
◆コーンシロップを使っちゃう➡生き残っても鑑識にインチキがバレる可能性が高い
◆ニールをがちがちに拘束しちゃう➡ニールを第一容疑者にする計画と矛盾
●警察や学校の働き
ホラー映画あるあるではあるが、周囲の大人たちは後手後手で、有効に機能していない。
◆シドニー宅襲撃で逮捕したビリーを翌日には解放してしまう
◆休校にする判断が遅く、シドニーが襲われ校長も殺される
◆夜の外出禁止以外の対応が見られない
◆外出禁止時にスチュー宅のパーティー開催を許した挙句デューイ一人で警備
デューイの行動は全編ツッコミどころみたいな部分があるが、若干ポンコツを売りにしたキャラという側面があるので、ツッコむのは野暮だろう。
感想
新たなホラーアイコンの誕生に加え、スラッシャー映画の“再活性化”を促した存在であり、メタホラー/スラッシャーxティーンのジャンルを確立させた作品とも言えるだろう。実際、この後にはスクリーム系作品が続き、『最終絶叫計画』というコメディへも発展した……が、それはさておき、とてもハマった作品である。パンフレットを3冊買って劇場にも何度か通うくらいにはハマった。
その理由は、さっさとドリュー・バリモア(ケイシー)が殺される衝撃と、犯人が複数男子高校生という斬新さと、キャラクターたちの魅力だと考える。シドニーは、トラウマを抱えつつも最後まで戦い続ける強さが光っていた。ビリーは、やっていることは超絶ダサいがとにかくイケメンである。スチューやゲイル、デューイにもそれぞれの魅力があったのだが、お気に入りはランディだ。メタホラーとして成立していた一番の要因はランディでもある。バイト先でも鬱陶しい(ホラー)映画オタクっぷりを披露、ホラー映画のお約束を「ルール」として語り、最後には油断せずとどめを刺すようアドバイスし、全体を通していいアクセントになっていた。
シリーズをぶっ通して見るとさすがにマンネリで飽きの来る部分はあるが、第一弾はいつ見ても面白いと思える作品だ。
基本情報
【公開年】1996年
【監督】ウェス・クレイブン
【キャスト】ネーヴ・キャンベル、デヴィッド・アークエット、コートニー・コックス、スキート・ウールリッチ、マシュー・リラード
【登場人物】シドニー・プレスコット(高校生)、デューイ・ライリー(警官)、ゲイル・ウェザーズ(レポーター)、ビリー(高校生/シドニーの恋人)、スチュアート/スチュー(高校生)、テイタム(高校生/デューイの妹)、ランディ(高校生)
【ポストクレジット】なし





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