【考察】映画『エイリアンズVSプレデター AVP2』|新種と精鋭による激熱バトルの記録

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:あり、身体損壊:あり、子ども被害:あり、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

構図としては前作同様、エイリアンVSプレデターに巻き込まれる人類、となる。しかし、自ら南極のピラミッドに飛び込んでいった前作とは異なり、今回は平和な田舎の町に突然モンスターが現れたパターンだ。本来なら完全な被害者である町民たちに同情の気持ちが湧くところだが、本作の登場人物が微妙な人選だったため、ほぼ感情移入出来ないまま終わっていくのである。

間抜けなリッキー、色気だけのジェシー、ただのイヤな奴デール、劣化版リプリーのような母親ケリー、大事な場面でポンコツ化する警官エディなど、全員ちょっと微妙なのである。そしてリーダーポジションに収まるダラスは、窃盗常習犯で血の気の多いバカみたいな雰囲気で登場しておいて、後半謎覚醒を魅せるのだが、あまりにもドラマ性が薄いため「いや、お前、ただの盗人じゃないのかよ、何者だよ(ドン引き)」としかならない。

●プレデターとエイリアンの融合
前作AVPのラストで、スカープレデターの腹をぶち破って出てきた新種エイリアンである。プレデターとエイリアン、両者の特徴が半々くらいで継承されている。下水道から地上へ出る際、ウルフはガントレットのバフが必要だったが、プレデリアンは素手でぶち破っており、筋力の強さが伺える。ウルフとのタイマン勝負でも、単純な押し合いでは終始優勢を保っていた。

●高い繁殖力
自身で卵を産むのではなく、人間の妊婦に口から卵を挿入して一人の妊婦から複数のチェストバスターを産ませることが可能。妊婦をホストにする理由は、胎児を栄養源とするためか、妊婦の体自体に孵化に役立つ要素があるのか、その辺の詳細は不明。産卵中だけでなく、その後も切り離し作業をするまで大きな卵管を腹部に抱えるエイリアンクイーンに比べ、身軽な繁殖活動が可能。作中では赤ちゃんや妊婦さんをたくさん襲ったので、好感度はとんでもなく低い。

●ウルフプレデター
通称、ザ・クリーナー。証拠隠滅のために地球へとやってきた掃除人。左の顔面はエイリアンの血を浴びたことで溶け落ち、左目は失明しており、歴戦を潜り抜けてきたことが見た目でも明らかである。レーザー地雷や、エイリアンの尻尾ムチなど特有の武器だけでなく、証拠隠滅用の謎液体も所持している。エイリアンを溶かすほどの液体を持ち運べるその容器・・に、プレデターの高い技術力が伺える。

●高い戦闘力
単身でエイリアンの群れに飛び込んでも余裕で倒しまくる。プレデリアンという未知の存在とのタイマンでは、膂力で押されている局面でも冷静に対応し、インナーマウスを引きちぎった時には、画面のこちらで思わず拍手をしてしまった。エイリアン退治の際に心強い存在。ちなみに、バイオマスクはエイリアンウォーリアーたちを捉えるも、プレデリアンのことはスルーしていた。バイオマスクのビジョンには複数のフィルタ基準があるようだが、いずれの場合も自種は除外するよう設定されていることが伺える。そのため、プレデターのDNAを持つプレデリアンもスルーされてしまったのだろう。

「暗い」を辞書で引いたらAVP2と書いてあると思う。肝心のエイリアンとプレデターの戦闘シーンでさえ、画面の輝度を上げても「真っ暗な中で何かが何かしている」こともあり、本当に勿体なかった。予算の関係なのか技術の問題なのか、制作陣は完成した映像を見てどう思ったのか、煽りではなく純粋な質問として聞いてみたい。

AVPに求めるものは当然モンスター同士の激しいバトルである。未来の人類を圧倒する完全生物エイリアン、現代の超スーパー戦闘集団を狩りまくってきたプレデター、その両者の争いはどんな戦い方の末、どんな決着を迎えるのか。それが見たいのは大前提だ。だが、これまでの両シリーズの作品においては、主人公サイドも魅力的で、死ぬな!がんばれ!と応援したくなるようなキャラクターたちだった(たまに例外アリ)。私もプレデター大好きマンではあるが、初代プレデターの結末には大満足している。そう考えると、やはり本作は主人公側のキャラクター造形なり、ドラマが薄く、片手落ち感が否めない。

ラストでは、プレデターのプラズマキャノンをウェイランド社が入手した場面があった。過去に情報漏洩しそうになったら自爆することで防いできたプレデターたちにとっては、史上最悪のヤバヤバ案件である。きっとエルダーが数名率いてすぐに取り返しに来るに違いない、そう、AVP3でね(本作公開からもうすぐ20年だけど)。

シリーズのまとめ記事はこちらから☟

基本情報

【公開年】2007年
【監督】コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス
【キャスト】スティーヴン・パスクール、レイコ・エイルスワース、ジョン・オーティス、ジョニー・ルイス、クリステン・ヘイガー、デヴィッド・パートコー
【登場人物】ダラス・ハワード(窃盗常習犯)、ケリー・オブライエン(アメリカ陸軍兵士)、エディ・モラレス(保安官)、リッキー・ハワード(高校生/ダラスの弟)、ジェシー・サリンジャー(高校生)、デール(高校生/ジェシーの彼氏)
ポストクレジットなし

コメント