【考察】映画『エイリアンVSプレデター AVP』|プレデターをメインにAVPの世界を振り返る

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:あり、身体損壊:あり、子ども被害:なし、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

本作では『プレデターは成人の儀式として南極で冷凍保存したエイリアンと闘うために100年に一度地球に来る』設定が追加された。本作以前のエイリアンシリーズでは、リプリーがエイリアンの地球上陸をなんとか避けようと戦ってきたわけで、昔から地球上にエイリアンが居たとなると、あの戦いに水を差された感は否めない。

●エイリアンシリーズとの整合性
しかし、本作のエンディングを踏まえれば、ストーリー的に無理がある話ではない。初代のエイリアンは2122年、本作は2004年が舞台となっている。今回無事にクイーンが南極で死んだことで、一旦地球上のエイリアンは絶滅した➡120年後、再び迎えたエイリアン襲来の危機をリプリーが阻止した、と見れば整合性はある。

なお、本作でウェイランド社の社長という設定でチャールズ・ビショップ・ウェイランドが登場し、ランス・ヘンリクセンが演じているが、それはエイリアンシリーズと切り離した方がよさそうである。エイリアンシリーズにおけるウェイランドの創設者はピーター・ウェイランドという別人な上、ランスが演じる人間としてほかにマイケルというキャラクターが存在しているからだ。

レックス一行は、ピラミッドで仕掛け板を踏みエイリアンを覚醒させ、石棺に入ったプラズマキャノンを取り出してピラミッド移動トラップを作動させてしまった。そのピラミッド移動トラップに関して、考古学者セバスチャンは「彼らはメートル法を使っていた。つまり10進法だ。だから10分ごとにピラミッドが動くんだ」と考察する。なんでだよ、と半笑いで聞き流したが、これがまさかの正解で、その後10分おきに壁や床が移動して内部構造が変化していく。なんでだよ。

●チョッパープレデター
なぜ「チョッパー」なのかが描かれる間もなく退場。頭蓋骨を背負った姿は印象的だったが、グリッドエイリアンに瞬殺されてしまった。

●ケルティックプレデター
チームのリーダー。調査団のうち地上に残った面々をザクザクと秒速で殺していった個体。勝手にプラズマキャノンを持ち出した人間に激オコして回収に向かうが、目の前でチョッパープレデターがエイリアンに殺されて狙いをそちらへシフト。グリッドエイリアンとの激しい肉弾戦を魅せる。しかし、エイリアンが酸性の体液を持っていることを知らなかったようにも見え、隙を突かれてしまった。

●スカープレデター
見た目は大して特徴がないが、後半ほぼ出ずっぱりで活躍が多かった。レックスにジェスチャーで「これで、バーン、するやで」と説明してあげる姿など、これまでと違うプレデターの一面を見せてくれた存在でもある。最もインパクトがあるのは、やはり終盤のエイリアンクイーンとの戦いの場面だ。貯水タンクの下へ逃げ込んだレックスを、エイリアンクイーンはタンクに体当たりして追い詰める。万事休す!と思われた時、突如スカープレデターがクイーンの背後から高らかに飛び上がり、空中で耐久し、反動をつけてから、クイーンの頭部をスピアで突き刺す。このシーンは気絶モノのかっこ良さである。

●エルダープレデター
ラストのシーンでレックスの奮闘を称えてスピアを差し出すプレデター。青い髪が特徴的で、貫禄のある振る舞いを見せる年長者。シリーズを通して数回“エルダー”が出ているが、毎回同一個体か不明。本作においては、若きプレデターたちの儀式の見届け人として地球へ来たものと思われる。

●エイリアンクイーン
エイリアンシリーズにおけるクイーンと大きな設定の違いはなく、卵を産む、知性が高い、通常個体より大きいといった基本的な生態は同じである。必要になると卵管を自力で引きちぎるところも同じ。長期間拘束され、冷凍されていたものの、解放されるとすぐにガチ切れして猛ダッシュ、プレデターを圧倒するほどの運動能力を見せており、エイリアンおそるべしである。

欲を言えばもっと両者のバトルが観たかった気はするが、かなり満足度は高かった。成人の儀式設定については賛否分かれるところだが、個人的に違和感はなかった。どちらのモンスターも基本の生態などはオリジナルを踏襲していたし(エイリアンの成長速度はエイリアン1~2と比較するとだいぶ早かったが)、制作においても肉感漂う実写を前面に押してCGはそこにうまく溶け込んでいたと感じた。

既存作品の主役同士をクロスオーバーで敵対させる場合、両者のファンが納得する落としどころを見つけるのは難しいだろうが、本作のバランスは良かったと思う。エイリアンクイーンは南極の海の藻屑となり、プレデターはクイーンを倒す直前に食らった攻撃で致命傷を負って、息絶えた。プレデター側は人間の加勢もあったわけで、「今回はほぼ引き分けだがレックスがいなければエイリアンが勝っていた可能性が高い」といった匂わせをして、上手に幕を引いていたように思う(プレデリアン?なんの話ですかそれは)。

序盤で2体のプレデターがさっさと退場しスカープレデターの独壇場!となるよりは、もっと3体平等に見所があっても良かったかも知れない。しかし、エイリアンが完全生物であることと、人間という邪魔が入った事実を踏まえると、このくらいが妥当か、とも思う。

初代エイリアンや初代プレデターを観た時の「なんだか分からないが何かやべぇのがいる」という恐怖こそないものの、見せ場満載のアクションシーンを味わうことが出来る、何度も観たい作品である。

シリーズのまとめ記事はこちらから☟

基本情報

【公開年】2004年
【監督】ポール・W・S・アンダーソン
【キャスト】サナ・レイサン、ラウル・ボヴァ、コリン・サーモン、トミー・フラナガン、ユエン・ブレムナー、ランス・ヘンリクセン
【登場人物】アレクサ・“レックス”・ウッズ(環境工学者)、セバスチャン・ウェルズ(考古学者)、マックス・スタッフォード、マーク・ヴァーハイデン、グラハム・ミラー、チャールズ・ビショップ・ウェイランド(ウェイランド社社長)
ポストクレジットなし

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