「ベター・ウォッチ・アウト:クリスマスの侵入者」(2020年)

ジャンル:ホラー
監督:クリス・ペッコーバー
キャスト:オリビア・デヨング、リーヴァイ・ミラー、エド・オクセンボールド、ヴァージニア・マドセン、パトリック・ウォーバートン、アレクサンデル・ミキッチ、デイカー・モンゴメリー
登場人物:アシュリー(大学生/ルークのベビーシッター)、ルーク(中学生)、ギャレット(中学生/ルークの友達)、デアンドラ(ルークの母)、ロバート(ルークの父)、リッキー(アシュリーの恋人)、ジェレミー(アシュリーの元カレ)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:53/100(好き)

超ざっくりあらすじ

引っ越しを控えたクリスマスの夜、アシュリーはラーナー夫妻から息子ルークのベビーシッターを頼まれた。アシュリーとルーク、2人でピザを食べながら映画を観て平和に過ぎていく一夜……のはずが、脅迫めいた電話がかかり、置物が移動し、徐々に恐怖が迫ってくる。

ここからネタバレ注意

事実関係・疑問・つっこみ など

●第一段階
人影や移動するサンタの置物、固定電話での脅迫など、ちょっとした不安を覚える事象が起きる。ほぼギャレットの仕業だったが、アシュリーが叱ると「全部は俺じゃない」と反論。それを裏付けるように2階で物音がして、第二段階へ。

●第二段階
窓ガラスの破壊や、ギャレットへの狙撃、タイヤのパンクなど被害が出始める。それすら二人の仕業と分かると、アシュリーは怒って、両親に電話すべく廊下へ出る。ところが、ルークにぶん殴られ転落して気絶。第三段階へ。

●第三段階
リッキー、ジェレミー、ギャレットが殺害され、アシュリーも首を切られた。ルークは、ジェレミー殺害前に遺書とも取れる手紙を書かせ、指紋なども細工、睡眠薬を飲んで眠りアリバイ工作をして、完全犯罪になると思われた。しかし、アシュリーが生きていて、救急車に運ばれながら中指を立てて終了した。

●少年の恋心?
強盗事件を捏造してでも株を上げたい(第二段階)、今カレ・元カレを粛清したい(第三段階前半)、という【恋心由来の動機】に見えた事件。しかし、アシュリーの扱い方や、最終的に彼女の喉を掻き切った事実から、それは真の理由ではなかったことが明らかになる。

●本当の目的
アシュリーに対し、ある程度の性的興味や、身勝手な独占欲があることは描かれていた。しかし、騒動を通じてルークが本当に気を引きたかった相手は母親と推測する。明らかなマザコン描写として、胎内音を聞きながら寝ている話や、「ママが寝かしつけてくれなくなった」という発言などもあった。事件の晩、帰宅した母親にギュッと抱き締められながら、ルークは心底嬉しそうにしていた。誰も見ていないあの状況で作り笑顔の必要はなく、心の底から笑っていたのだろう。

親子関係はそこまで詳細に描かれず、母親が「寝かしつけてくれなくなった」理由は不明。単純に成長の結果、寝かし付けをやめただけとも思われる。しかし母親への異様な執着を母親自身も感じ取っていたなら、あえて距離を置いた可能性もあるだろう。

●計画通り、なのか
完全犯罪に近い仕上がりだったが、下記のポイントなどで誤算もあった。

◆アシュリー生存:当然、彼女の生存は完全な誤算だろう。アシュリーは当初から機転が利く女性であることが描かれていた。それと同時に、ルークはアシュリー相手だと詰めが甘い事実もある。相手がアシュリー以外であれば、最後に脳天を踏み潰すぐらいの確実性を取ったはずだ。その前にも、アシュリーは一度屋外へ出ている。たまたまレンガを投げて脱出は阻止できたが、やはり手落ちがあったと言える。対アシュリーだと、ルークの周到さも切れが悪くなるらしい。

◆ギャレット殺害:「お前のせいで!お前が撃たせた!」と動揺していた姿はさすがに演技に見えなかった。最後まで生かしておいたかは分からないが、少なくともあの時点で撃ったのは衝動的な行動だったと思われる。

●どうしてこうなった
ルークは、今回突如サイコパス化したわけではない。Truth or Dareのゲームを通じてアシュリーが暴露したのは、2年前にギャレットのハムスターを殺した事実。つまり、少なくとも数年前から、小動物への虐待行為があった可能性は高い。このやり取りは、ルークが内に秘めた残忍な性質と、ギャレットとルークの真の関係性が判明する、重要な意味を持っていた。

●ザ・中学生男子
ギャレットは、年相応なおバカ具合とムードメーカー的な存在感で、ある意味本作の癒し担当だった。以前からルークの手を借りていろいろと悪さをしてきたようだが、ルークの本性に気付くことは出来なかった。序盤こそ彼の方が成熟しているようにも見えたが、本性をあらわにしたルークの前では忠実な僕と化していた。

●IFシナリオ?
もし、あの時ギャレットがアシュリーに口づけをしていなかったら、ギャレットは生存ENDを迎えたのだろうか。恐らく、いずれはルークに殺されたと推測する。ルークにとって、ギャレットを生かしておくメリットが全くないからだ。ギャレットが生き残るためには、もっと早い段階からアシュリー側に寝返るしか道が無かったと思われる。

感想

凄い好き!凄い面白い!という作品ではないが、新たなクリスマスの定番ムービーに成りえるくらいのインパクトはあった。二段構えのどんでん返しはさすがに想定外で、そうくるか!の心地よさが味わえた。

ヒロインアシュリーのキャラクター性にも好感が持てる。序盤のいたずらの時点から、危険を察知して対処する能力がとても高く描かれていた。また、ルークの飲酒やボディタッチも大人の対応で窘めており、これこそ理想のベビーシッターと言う感じ。ルークが立てた作戦は巧妙で、アシュリーが逃げたり通報したりする手段はことごとく潰されていた。しかし、じっくり時間をかけ様々な可能性を想定して計画を立てられるルークと違い、アシュリーは危機と隣り合わせの状態で迅速に対応しなくてはならなかった。そう考えると、年齢差を抜きに考えても、アシュリーの方がルークよりも数段上だったように思える。

ところで、ギャレットのような【なんとなく賢そうなのにバカ】みたいなキャラクターは好きなので、ダブルタップされた時はシンプルに悲しかった。

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