【考察】映画『オーメン/オーメン666』|<オリジナルとの比較アリ>災厄の元凶とは

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり、子ども被害:あり、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

本作は、ほぼオリジナルと同じシナリオで進んでいく。悲劇の始まりもやはり死産であり、ロバートの“選択”である。『せっかく生まれた赤ちゃんが死んだと分かれば母親がショックを受ける』というのは分かるが、『だから謎の赤ちゃんを代わりに我が子とする』というエクストリーム対処法は、時代が変わっても受け入れられない非倫理的な選択である。

●バチカンのシーン
本作では冒頭に、バチカンの天文学者が【黙示録の獣】の誕生を示す彗星を発見してローマ教皇に報告する、というシーンが追加されている。後半になって徐々に謎が明かされていくオリジナルの構成と比較すると大きく違うポイント。

●スティーブンの事故死
もともと駐英大使予定だったのはスティーブンという別の人物だった。彼がピタゴラスイッチ的事故で死亡してしまったことで、ロバートに順番が回ってきた、という一連は本作で追加されたものだ。この時点から悪魔的力が働いていた、という示唆だろうか。

●ソーン家周りの細かな違い
オリジナル➡本作とで、ダミアンに関する細かな描写が異なる。主なものを下記に挙げる。

ダミアンとキャサリンが二人でサファリに行く➡ほかの家族たちと動物園に行く
部屋で楽しく動き回って遊ぶダミアン➡黙々とゲームをするダミアン
ダミアンが三輪車で暴走➡ダミアンがキックボードで暴走

●死亡シーンの違い
ホリーやブレナンはほぼオリジナルと同様の展開で死を迎える。作中での死亡過程が大きく違うのは下記の3名。

キャサリン/ケイト
家の2階から落下して入院後、オリジナルでは(おそらく)病室からベイロックに突き落とされているが、本作ではベイロックによって点滴に空気を注入されて死亡した。
ジェニングス
メギドで短剣を拾ったのち、オリジナルではトラック荷台から滑り落ちたガラス板で首を水平に切断されるが、本作では外れた看板によって斬首される。
ベイロック
ダミアン殺害を阻止しようとベイロックがロバートに襲い掛かるが、オリジナルではロバートに刺殺され、本作ではロバートに車で撥ねられ死亡。

ベイロックに関しては、本作の方が、人身事故を起こして猛スピードで逃げるロバート➡警察車両が追う、という流れが発生しているので、教会で即座に射殺される不自然さは軽減される。

●『終末の兆候』
冒頭の追加シーンでは近年起きた大惨事(9.11の同時多発テロ、スペースシャトルの空中分解事故、ハリケーンの被害)などの映像が挿入されている。つまり、それらが全て『終末の兆候』だという扱いだが、ダミアンが生まれる前の【カウントダウン】としては、あまりに大きすぎる出来事ではないだろうか。結局生まれたあとは、身近な人物を事故的に殺していくだけなので、むしろスケールダウンしているように映る。

●リメイクの必要性の薄さ
いくつか追加されたシーン、多少変更された演出もあるが、オリジナルを別キャストで見ているような気持になるくらい忠実なリメイクとなっている。オリジナル視聴済みの人たちにとっては、ほぼ新鮮さはないだろう。どうしても、『666にちなんだ大作IPをリメイクし2006/06/06に公開する』という思惑ありきで制作されたように感じてしまう。

役者の影響かは分からないが、本作のロバートはずっと腹に一物抱えているような雰囲気があって、感情移入が出来なかった。そのくせ、無駄に優柔不断な部分が目立つ。仮にロバートが短剣を投げ捨てなかったとしたら、別の方法でジェニングスが殺されていただけかも知れないが、あの場面は(オリジナルでもそうだが)ジェニングスへの同情を禁じ得ない。ロバートのモタモタもすべて悪魔のせいだよ、と言われればそれまでだが。

また、全体的に明るいトーンが全くなく、なんなら途中にケイトの悪夢という体で不穏なイメージショットも出てくるため、『まさか、あの子が本当に悪魔!?』といった衝撃が薄い。可愛いのに口角が下がりっぱなしで、暗い部屋でピコピコゲームして、ほぼしゃべらないあの子が“反キリスト”でした、と言われても、『そうですか』となるだけである。

リメイクは大幅に変えるとがっかりすることもあるし、忠実な方がヨシとされることもあるだろうが、本作については、トーンだけが現代風に変更されたことで、オリジナルにあった恐怖やミステリー要素の良さが削ぎ落された感じがして、少々残念だった。

基本情報

【公開年】2006年
【監督】ジョン・ムーア
【キャスト】リーヴ・シュレイバー、ジュリア・スタイルズ、ミア・ファロー、デイビッド・シューリス、ピート・ポスルスウェイト
【登場人物】ロバート・ソーン(外交官)、キャサリン/ケイト(ロバートの妻)、ベイロック(乳母)、ジェニングス(カメラマン)、ブレナン(神父)
ポストクレジットなし

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