「死霊館 エンフィールド事件」 (2016年)

ジャンル:ホラー
監督:ジェームズ・ワン
キャスト:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、フランシス・オコナー、ローレン・エスポジート、マディソン・ウルフ、パトリック・マコーリー、ベンジャミン・ヘイ、マリア・ドイル・ケネディ、サイモン・デラニー、サイモン・マクバーニー、フランカ・ポテンテ
途上人物:ロレイン・ウォーレン(透視能力者/エドの妻)、エド・ウォーレン(悪魔研究家)、ペギー(ホジソン家母)、マーガレット(ホジソン家長女)、ジャネット(ホジソン家次女)、ジョニー(ホジソン家長男)、ビリー(ホジソン家次男)、ペギー・ノッティンガム(ホジソン一家の隣人)、ビック・ノッティンガム(ホジソン一家の隣人)、モリス・グロス(心霊現象研究協会調査委員)、アニタ・グレゴリー(超心理学者)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:80/100(大好き)

超ざっくりあらすじ

1977年、イギリス、エンフィールド。両親が離婚し、母と姉弟たちと暮らす少女ジャネットは、ある時を境に多くの怪奇現象に遭遇する。やがてそれは家族を巻き込み、命を脅かすまでに。立会人として事象の真偽を見極めにやってきたウォーレン夫妻をも欺こうとする、その相手とは。

ここからネタバレ注意

事実関係・疑問・つっこみ など

●発端
ジャネットとマーガレットが、手作りのウィジャボードで霊に呼びかけた。怪奇現象が起きるのはそれ以降なので、発端はウィジャボードと思われる。ウィジャによって呼ばれたのが、ビルという男の霊だ。

●ビル・ウィルキンス
現在ホジソン家が暮らしている家にかつて住んでいた男性。72歳で、リビングのロッキングチェアの上で脳出血により亡くなった。彼自身は「家族はもういないと分かったので先に進みたい」が、それを邪魔する存在が現れ、ジャネットたちを脅すよう指示までされた。それがヴァラクである。

●霊障悪化
ヴァラクの影響が出始めると、霊障はただの怪奇現象レベルを超えていく。ジャネットの部屋を鎖で閉じていたことからも、描かれていない場面でベッドガタガタ級の物理的な異常が何度も発生していたと思われる。しかし、ロレインが最初に霊視した時には霊の気配を感じなかった。ヴァラクがうまく隠していたためである。

●メインエネミーは悪魔ヴァラク
本作では名前以外明らかにされていないが、死霊館ユニバースにおけるヴァラクは、死霊館のシスターシリーズで下記のように描かれている。(別作品のネタバレなので注意!)

死霊館におけるヴァラク

●なぜジャネットが狙われたのか
マーガレットも同じタイミングでウィジャボードを使ったが、ジャネットだけがビルと「会話」をするなど、霊から受ける影響に当初から差があった。ジャネットが生まれ持った“特別な力”が示唆されている。その力が、ヴァラクの目に留まったと推測する。

●狙いはしたが
どんなに強い悪魔であってもできることは限られる。ヴァラクもいきなりジャネットの体を乗っ取ることは出来ず、自ら魂を差し出すようにジワジワ精神的に攻め立てていた。偽装工作によりジャネットが完全に孤立してしまったタイミングで、憑依したと見られる。

●ヴァラクの強さ
ロレインによってあっさり地獄へと返されてしまったので、相対的にヴァラクの戦闘力が低く見えた。しかし、本来はそこそこ強いあくまで本作時点での力が弱まっていただけの可能性は高い。いずれにしてもロレインは霊的に相当強い力を持っているのだろう。彼女が脅威になると知っていたからこそ、ヴィジョンを見せたと思われる。

各作品の事件の時系列としては下表①、映画公開順では下表②の通り。

【死霊館シリーズ】実在の心霊研究家エドとロレインをモデルとした悪魔祓い系ストーリー。(本作)
【アナベルシリーズ】エドたちが所有している呪いの人形アナベルにまつわるストーリー。
【死霊館のシスターシリーズ】シスターアイリーンが主役、1950年代のストーリー。

・死霊館シリーズはどれも単発で観てOK、だが公開順に観た方が細かい部分の繋がりを感じる
・死霊館2(本作)を見たあとで死霊館のシスターシリーズを見ると理解が深まる
・死霊館のシスター2は、死霊館のシスターを見てからがオススメ
・アナベル死霊人形の誕生➡アナベルは内容の繋がりがあるが、一方のみでも一応成立する
・死霊博物館は全然毛色が違い単発でも問題ない

感想

疑う者:アニカ・グレゴリーの存在を悪魔側も理解して策略を巡らせた(霊障の偽装をジャネットに指示した)、というのが本作の秀逸な点だったと思う。グレゴリー以外の「ジャネットの言っていることは真実だ」と証明したい面々だけでは、成り立たなかった話である。

対して信じる者:ノッティンガム夫妻は、最初の霊障の時点から最後まで、手放しでホジソン一家を迎え入れていた。ずっと傍に寄り添い、劇中のセリフにある「常識を超えて信じる、世間が背を向けた今こそ」を体現。彼らがいなければなければ、エドたちの登場を待たずして最悪な展開を迎えていたかも知れない。本作における、もう一組のヒーロー夫婦だと感じた。ビックはイエローあたりで。

事件の真相を知れば、きっと誰もビルへの恐怖は感じないだろう。ホジソン一家が事件後もあの家でずっと暮らすことが出来たのも頷ける。というか、死霊館シリーズはどの作品も【困っている人々をウォーレン夫妻の愛で救う】というテーマ性が強いので、ホラーを見た感覚が残らない。しかし、子どもの頃にあんな目に遭ったら、二度とゾートロープのおもちゃは買いたくないと思うだろう。

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