【考察】映画『アナベル 死霊博物館』|少女がウォーレン邸をドッキリお化けハウスに変える

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:なし、子ども被害:あり、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

死霊館ユニバース随一のイライラキャラ
本作を見てダニエラにイライラしなかった寛大な人がどれほどいるだろうか。ウォーレン夫妻の仕事を知った上で『絶対に開けるな』の警告を無視するのは、小学生程度ならまだしも、(おそらく)大学生がやることではないだろう。彼女の性格というか、元来の性質として、衝動性が強く、好奇心に抗えないタイプであることは明白で、そこに『罪悪感』という要素が加わって暴走したのだろう。

メタ的には【呪いを発動させるためにアナベルの箱を開けるおバカ要員】が必要で、ダニエラがうまく使われてしまった感が否めない。それはそれでダニエラも被害者だったと言える。もっと不可抗力的な流れでアナベルが解放されていたとしたら、多少ダニエラの粗相があったとしてもここまでのやらかし感はなかっただろう。おそらく。

いろんな呪い大集合
今回は、アナベル人形がケースから出される➡アナベルの悪魔が解放される➡他の品々も影響を受けて発動、という騒動である。アナベル以外は脅かし系のメンバーが多く、呪いのテレビ、フェリーマン、ジャッキーモンキー、呪いのボードゲームなど、かわいいものだった。刃物を振り回す系の花嫁(呪いのウェディングドレス)や、ボブを追いかけまわしていた黒い魔犬は身体的な危険があったが、効果が限定的である。

●アナベルの悪魔の狙い
アナベルの悪魔はジュディを追いかけ回し、押さえ込むと、“何か”を吸い取ろうとしていた。これまでのシリーズにおいて悪魔が「魂を吸いこむ」描写は全くなく、憑依するか殺すかの二択であり、憑依する場合にはゲロを口移したりするのが恒例である。

つまり、今回は今までと違う目的だった可能性がある。たとえば、ジュディの「魂」と称した霊的な力を吸収しようとした、などが考えられる。ロレインにも引けを取らない彼女の特異能力を取り込んで、パワーアップを図ったのかも知れない。しかし、最後まで具体的な目的は作中で明言されなかった。

各作品の事件の時系列としては下表①、映画公開順では下表②の通り。

アナベルシリーズの第三弾という位置付けではあるが、これまでとは全く雰囲気が異なる上、アナベルというよりも本家の”死霊館”要素が多い。

死霊館全体のまとめレビューはこちら➡【2026最新】死霊館ユニバース全作紹介!【シリーズ解説&見る順】

ジェームズ・ワン監督がこの作品をアナベル版ナイトミュージアムと評したらしく、公開当時もそんなキャッチフレーズで宣伝されていた。映画『ナイトミュージアム』では、自然史博物館の展示品が夜な夜な動き出す設定をベースに、主人公の成長譚のようなストーリーが展開されていく。なので、ウォーレン邸の地下にある「死霊博物館」の呪いの保管品たちが動き出すよ、まるでナイトミュージアムだね、みたいなことが言いたいのは分かる。

しかし、ナイトミュージアム状態に至るまでの経緯が酷過ぎた上、呪いの品々が軽んじられている印象を受けてしまい、純粋に楽しめる心境にならなかった。各々で1作品映画が作れるような“呪いの品々”も、あれではお化け屋敷の雑多なアイテムと同じ扱いである。

アナベル第1弾、第2弾についても賛否両論あるし、それぞれ単体映画として死霊館本家ほどのインパクトはなかったかも知れないが、それでも前2作は一定の世界観を守って描かれていた。それが、第3弾で突然心霊遊園地のようになっただけでなく、彗星のごとく現れたダニエラという新キャラによってひたすらイライラを溜めなくてはならない展開になってしまったのが、とても残念だった。ちなみにロレインは今回の騒動について、あなたはまだ若いもの~と許したようだが、私がウォーレン家の人間なら許せる自信がない。ダニエラは出禁とするだろう。

基本情報

【公開年】2019年
【監督】ゲイリー・ドーベルマン
【キャスト】マッケンナ・グレイス、マディソン・イズマン、ケイティ・サリフ、パトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ、スティーヴ・クルター
【登場人物】ジュディ・ウォーレン(小学生)、メアリー・エレン(学生/ジュディのベビー・シッター)、ダニエラ(学生/メアリーの友人)、エド・ウォーレン(悪魔研究家/ジュディの父)、ロレイン・ウォーレン(透視能力者/ジュディの母)、ゴードン(神父)
ポストクレジットなし

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