
【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり(軽微)、子ども被害:あり、動物被害:あり(軽微)
事実関係・疑問点の整理
スマール家とウォーレン家を襲った事件
●まずは幽霊
スマール家の霊障の直接的な原因は、もともと土地に憑いていた3体の霊だった。斧を持って高笑いするロン毛男、ロン毛男の妻、妻の母の老婆だ。男が妻の不倫にガチ切れて殺したという過去があるらしい。しかし彼らは悪魔に利用された側だった。
●元凶の悪魔
名前も不明で、とにかく印象が薄い。とりあえず〈鏡の悪魔〉とする。鏡の悪魔は出生直後のジュディを奪おうとして失敗した因縁があるのだが、最終目的は不明である。なお、死霊館シリーズにおいて、キーアイテム自体が物理で激しく攻めてくるパターンは初で、見た目は少々コメディになった。特に鏡が高速回転する映像はあまりにもCG感が強く苦笑したほどだ。
●簡単な結末
ヴァラクなどの存在感あるアイコン悪魔と比較すると見劣りするし、バトルも、悪魔が消えた!助かった!という感覚が希薄で拍子抜けした。「you’re not there」は、これまで怖い物からは目を逸らし、耳を塞いできたジュディが【初めて恐怖に立ち向かった】シーンではあるが、セリフ1つで終わりは呆気ない。せめていつもの「悪魔の名前をつきとめて、神の名のもとに地獄へ帰るよう命じる」手順だけでも踏んで欲しかった。
●アナベルとの関連性
今回ジュディが見た“アナベル”は全て鏡の悪魔が見せた幻覚で、鏡の悪魔とアナベルに直接の関わりはないと思われる。作中引用されるウォーレン氏の言葉でも「悪魔はどんな姿にもなる」という一節があり、ジュディが最も恐れる姿で現れ心を弱らせようとした、と推測する。なお、アナベル巨大化シーンも、怖さより愉快さが際立ったところだ。
ゴードン神父の最期
●映画オリジナルキャラ
ゴードン神父は実在の人物ではないが、死霊館シリーズにおいてはちょいちょい見かけるお馴染みのキャラクターである。滲み出るいい人っぽさと、ジュディを小さい時から知っている遠い親戚のおじさんぽさから、親近感のある存在。
●無駄死に感
ゴードン神父はオーメンの乳母よろしく、物凄い潔さで首吊りを実行する。そんな【教会内での神父の自死】は相当重大事件のはずだが、扱いが軽く見えた。てっきり『あのゴードン神父が自殺なんてするだろうか?何故このタイミングで?しかもペンシルベニアで?一体どうして??』みたいな、謎解き展開が来るかと思ったが、そんな流れは全くなかった。教会(悪魔にとって苦手な場所)で神父(悪魔の天敵)を遠隔で殺せるほど強いのか!と思わせておいて、アノ結末、というバランスの悪さ。ジュディを呼び寄せるためのちょっとした仕掛け的に殺されてしまったゴードン神父が不憫でならない。
死霊館ユニバース:死霊館シリーズの完結編
各作品の事件の時系列としては下表①、映画公開順では下表②の通り。
本作は、死霊館シリーズの最終章と言われている。しかし、ユニバースとしてのラストとは明言されていないので、別シリーズで新作が出る可能性はある。(期待)
| ①時系列順 | ②映画公開順 |
|---|---|
| 1952年 死霊館のシスター | 2013年 死霊館 |
| 1955年 アナベル 死霊人形の誕生 | 2014年 アナベル 死霊館の人形 |
| 1956年 死霊館のシスター 呪いの秘密 | 2016年 死霊館 エンフィールド事件 |
| 1967年 アナベル 死霊館の人形 | 2017年 アナベル 死霊人形の誕生 |
| 1969年 アナベル 死霊博物館 | 2018年 死霊館のシスター |
| 1971年 死霊館 | 2019年 アナベル 死霊博物館 |
| 1977年 死霊館 エンフィールド事件 | 2021年 死霊館 悪魔のせいなら、無罪 |
| 1981年 死霊館 悪魔のせいなら、無罪 | 2023年 死霊館のシスター 呪いの秘密 |
| 1986年 死霊館 最後の儀式 | 2025年 死霊館 最後の儀式 |
死霊館全体のまとめレビューはこちら➡【2026最新】死霊館ユニバース全作紹介!【シリーズ解説&見る順】
感想
最も印象に残ったのはブラッドの再登場なのだが、次いで印象深いのはジュディとトニーの結婚式だ。死霊館1~3までにエドたちが救ってきた家族の面々が集まってフィナーレに相応しい華やかさがあった。ペロン家、ホジソン家の少女たちがキレイな女性に成長していて勝手に感慨深くなったし、デイビッドも立派な青年になっていて、エドが心筋梗塞になってまで守った少年の未来を見られて良かった。
一方で、スマール家の描き方は少々残念だった。たとえば序盤、ドーンが突然嘔吐➡大量吐血➡ガラス片を吐き出す、という悲惨な目に遭うが、その後のシークエンスで彼女は普通に家にいる。作中では吐血騒動から数カ月経っているのかも知れないが、時間経過の伝え方が下手過ぎる。他には、各々が好き勝手に話しているだけの食事シーン、ドーンとヘザーの可愛げのない会話、やたら不気味なスージー人形などがピックアップされ、家族の絆が前面には描かれていなかった。同じ「霊障に苦しむ一家」でも、描かれ方がさっぱりし過ぎてあまり感情移入出来なかったことは、カタルシス不足の一因かも知れない。
死霊館シリーズと言えば、ウォーレン一家の絆、夫婦の愛がこれでもかと描かれる作品である。悪魔との戦いにおいてもキリストの力より、エドとロレインの信仰心と愛が最も強い武器となっていた。その点は最終章でもブレておらず、とても“死霊館らしいドラマ”が展開されていた。ある種聞きなれた不気味なBGMと共に映画は締めくくられ、ホラー映画としての死霊館の見納めなのだなと再認識した。
基本情報
【公開年】2025年
【監督】マイケル・チャベス
【キャスト】ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、ミア・トムリンソン、ベン・ハーディ
【登場人物】ロレイン・ウォーレン(エドの妻・透視能力者)、エド・ウォーレン(悪魔研究家)、ジュディ(ウォーレン夫妻の娘)、トニー・スペラ(ジュディの彼氏)
【ポストクレジット】あり






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