
ジャンル:ホラー、アクション
監督:ポール・W・S・アンダーソン
キャスト:サナ・レイサン、ラウル・ボヴァ、コリン・サーモン、トミー・フラナガン、ユエン・ブレムナー、ランス・ヘンリクセン
登場人物:アレクサ・“レックス”・ウッズ(環境工学者)、セバスチャン・ウェルズ(考古学者)、マックス・スタッフォード、マーク・ヴァーハイデン、グラハム・ミラー、チャールズ・ビショップ・ウェイランド(ウェイランド社社長)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:91/100(大大大好き)
超ざっくりあらすじ
南極で突如発生した熱源の謎を探るため、ウェイランド社が各分野のプロフェッショナルを招集した。熱源を辿り南極地下の構造物へと向かった面々は、ピラミッドによく似たその建物の中に人類とは全く違う生命体の痕跡を発見する。そして、人類、狩人、宇宙トカゲによる三つ巴の戦いが始まるのだった。

事実関係・疑問・つっこみ など
エイリアン、いたんだ
●儀式用ピラミッド
本作では『プレデターは成人の儀式として南極で冷凍保存したエイリアンと闘うために100年に一度地球に来る』設定が追加された。たまたま今回信号をキャッチしたことでウェイランド社が調査に向かったが、あの地下ピラミッドは以前から存在していたらしい。つまり、地球に以前から儀式の獲物=エイリアンが存在していたことになる。
●リプリーがあんなに頑張ったのに
ハント用エイリアンを産むクイーンエイリアンは凍結された上に鎖でがっしり固定されており、ピラミッド内の仕掛けを発動させることでその凍結が解除され産卵を始める仕様。しかし、今回は酸性の体液で鎖を断ち切る暴挙に出てまんまと脱走している。場合によっては、クイーンエイリアンが野に放たれた可能性があった。本作以前のエイリアンシリーズ(初代~エイリアン4まで)では、リプリーがエイリアンの地球上陸をなんとか避けようと戦ってきたわけで、南極の地下深くとは言え、地球上にエイリアンが居たとなると、あの戦いに水を差された感は否めない。
●エイリアンシリーズとの整合性
初代のエイリアンは2122年、本作は2004年が舞台となっている。今回無事にクイーンが南極で死んだことで、一旦地球上のエイリアンは絶滅した➡120年後、再び迎えたエイリアン襲来の危機をリプリーが阻止した、と見れば整合性はある。むしろ、ウェイランド社側がエイリアンの存在を知り確保を目論んだことの裏付け、ともいえるだろう。
●あのビショップ
チャールズ・ビショップ・ウェイランドがウェイランド社の社長という設定となっており、エイリアンシリーズで登場するアンドロイドのビショップは、この社長をモデルとしていたことが分かる。後のエイリアンシリーズで登場するウェイランド・コーポレーションの創設者はピーター・ウェイランドという別人なので、子孫もしくは親族が別会社を創設した設定なのかも知れない。
ピラミッドの謎……
レックス一行は、ピラミッドで仕掛け板を踏みエイリアンを覚醒させ、石棺に入ったプラズマキャノンを取り出してピラミッド移動トラップを作動させてしまった。自業自得だ。そのピラミッド移動トラップに関して、考古学者セバスチャンは「彼らはメートル法を使っていた。つまり10進法だ。だから10分ごとにピラミッドが動くんだ」と考察する。なんでだよ、と半笑いで聞き流したが、これがまさかの正解で、その後10分おきに壁や床が移動して内部構造が変化していく。なんでだよ。
今回のプレデターたち
●チョッパープレデター
なぜ「チョッパー」なのかが描かれる間もなく退場。背中に頭蓋骨を背負った姿は、お気に入りのおもちゃをどこにでも持っていく子どもと重なる可愛さもあったのだが、グリッドエイリアンと呼ばれるボス格のエイリアンに瞬殺された。
●ケルティックプレデター
チームのリーダー。調査団のうち地上に残った面々をザクザクと秒速で殺していった個体。勝手にプラズマキャノンを持ち出した人間に激オコして回収に向かうが、目の前でチョッパープレデターがエイリアンに殺されて狙いをそちらへシフト。グリッドエイリアンをぶん投げ、ぐるんぐるん振り回して柱にバンバン叩きつける。乱暴な子である。しかし留めを刺す直前、ネットを酸で溶かして脱出したグリッドエイリアンによってインナーマウス一発でやられてしまった。エイリアンが酸性の体液を持っていることを知らなかったようにも見える。ちょっと短気っぽくて暴れん坊な感じが滲み出ており、わりと好きな個体だったので、早々の退場は残念だった。
●スカープレデター
見た目は大して特徴がないが、後半ほぼ出ずっぱりで活躍が多かった。レックスにジェスチャーで「これで、バーン、するやで」と説明してあげる姿など、これまでと違うプレデターの一面を見せてくれた存在でもある。最も痺れたシーンは、やはり終盤のクイーンエイリアンとの戦いの場面。貯水タンクの下へ逃げ込んだレックスを、クイーンエイリアンはタンクに体当たりして追い詰める。万事休す!と思われた時、突如スカープレデターがクイーンの背後から高らかに飛び上がり、空中で耐久し、反動をつけてから、クイーンの頭部をスピアで突き刺す。正直、このモーションだけでスカープレデターの虜になったと言っても過言ではないほどの、気絶モノのかっこ良さである。ブルーレイで何度巻き戻して観たか分からない。
●エルダープレデター
ラストのシーンでレックスの奮闘を称えてスピアを差し出すプレデター。青い髪が特徴的で、貫禄のある振る舞いを見せる年長者。シリーズを通して数回“エルダー”が出ているが、毎回同一個体か不明。
感想
欲を言えばもっと両者のバトルが観たかった気はするが、かなり満足度は高かった。成人の儀式設定については賛否分かれるところだが、個人的に違和感はなかった。どちらのモンスターも基本の生態などはオリジナルを踏襲していたし(エイリアンの成長速度はオリジナルより早かったかな)、制作においても肉感漂う実写を前面に押してCGはそこにうまく溶け込んでいたと感じた。
既存作品の主役同士をクロスオーバーで敵対させる場合、両者のファンが納得する落としどころを見つけるのは難しいだろうが、本作のバランスは良かったと思う。クイーンエイリアンは南極の海の藻屑となり、プレデターはクイーンを倒す直前に食らった攻撃で致命傷を負って、息絶えた。プレデター側は人間の加勢もあったわけで、「今回はほぼ引き分けだがレックスがいなければエイリアンが勝っていた可能性が高い」といった匂わせをして、上手に幕を引いていたように思う(プレデリアン?なんの話ですかそれは)。
序盤で2体のプレデターがさっさと退場しスカープレデターの独壇場!となるよりは、もっと3体平等に見所があっても良かったかも知れない。しかし、エイリアンが完全生物であることと、人間という邪魔が入った事実を踏まえると、このくらいが妥当か。
初代エイリアンや初代プレデターを観た時の「なんだか分からないが何かやべぇのがいる」という恐怖こそないものの、見せ場満載のアクションシーンを味わうことが出来る、何度も観たい作品である。






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