「アナベル 死霊博物館」 (2019年)

ジャンル:ホラー、ミステリー
監督:ゲイリー・ドーベルマン
キャスト:マッケンナ・グレイス、マディソン・イズマン、ケイティ・サリフ、パトリック・ウィルソン、ベラ・ファーミガ、スティーヴ・クルター
登場人物:ジュディ・ウォーレン(小学生)、メアリー・エレン(学生/ジュディのベビー・シッター)、ダニエラ(学生/メアリーの友人)、エド・ウォーレン(悪魔研究家/ジュディの父)、ロレイン・ウォーレン(透視能力者/ジュディの母)、ゴードン(神父)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:30/100(好きではない)

超ざっくりあらすじ

ウォーレン夫妻の一人娘ジュディは、両親が外出したある晩をベビーシッターのメアリー、その友達のダニエラと過ごすことになった。平和に終わるはずだったその夜は、しかし、言いつけを破ったダニエラが「死霊博物館」とも言われる禁忌の部屋に入ったことで一変する。

ここからネタバレ注意

事実関係・疑問・つっこみ など

ダニエラにイライラしなかった寛大な人がどれほどいるだろうか。呪い大解放の戦犯、ダニエラの非常識で自己中心的な行動を振り返る。

・登場してすぐ、メアリー・エレンにしつこく絡む
・ボブに対し「(メアリー・エレンが)あんたに惚れてる」などと告げ口する
・招かれてもいないのにウォーレン邸を訪れる
・お古のローラースケート(自分は怪我をして一度しか使っていない)をプレゼントする
・人の家で引き出しを開けまくり、見つけた鍵で「入るな」と言われた部屋にも入る
・保管庫に入ってからも、嘘みたいに色々触りまくる
・『警告!絶対に開けるな』のワーニングをしっかり読んだ上で、アナベルのガラスケースを開く
・エドの調査資料などを勝手に読み漁って1人で興奮する
・父親の霊との接触をしつこく試みる

そんな具合で、悪魔が出てくる前から嫌悪感が半端ない。父親を亡くしたばかりという事実が明らかになった頃には既にイライラMAXなので、全く同情出来ない。父親が死んだ事実を免罪符に人の家を漁っていいわけではないし、結局、自分可愛さの身勝手な振る舞いにしか見えないのである。

ロレインは今回の騒動について、あなたはまだ若いもの~と許したようだが、私がウォーレン家の人間なら許せる自信がない。ダニエラは出禁とするだろう。

●いろんな呪い大集合
今回は、アナベル人形がケースから出される➡アナベルの悪魔が解放される➡他の品々も影響を受けて“呪い”を発動させる、という騒動。アナベル以外は脅かし系のメンバーが多く、テレビ画面にちょっとコワい未来を映すとか、コインをポトポト落とすとか、かわいいものだった。“花嫁”は刃物を持っているので身体的危機があったが、効果が限定的だ。やはり本当に恐れるべきはアナベルだけである。

●アナベルの悪魔の狙い
アナベルの悪魔はメアリー・エレンのことを暴力的に排除しようとしていたが、ジュディに対してはまったく対応が違った。追いかけ回し、押さえ込むと、“何か”を吸い取ろうとしていたのだ。これまでは、魂ちょうだい系のことを言っても、「魂を吸いこむ」描写は全くなく、憑依するか、殺すかの二択だったはず。そして憑依する場合には、ゲロを口移したりするのが恒例である。

今回はひょっとして今までと違う目的があったのだろうか。たとえば、ジュディの「魂」と称した霊的な力を吸収しようとした可能性など。ロレインにも引けを取らない彼女の特異能力を取り込んで、パワーアップを図ったのかも知れない。

各作品の事件の時系列としては下表①、映画公開順では下表②の通り。

【死霊館シリーズ】実在の心霊研究家エドとロレインをモデルとした悪魔祓い系ストーリー。
【アナベルシリーズ】エドたちが所有している呪いの人形アナベルにまつわるストーリー。(本作)
【死霊館のシスターシリーズ】シスターアイリーンが主役、1950年代のストーリー。

・死霊館シリーズはどれも単発で観てOK、だが公開順に観た方が細かい部分の繋がりを感じる
・死霊館2を見たあとで死霊館のシスターシリーズを見ると理解が深まる
・死霊館のシスター2は、死霊館のシスターを見てからがオススメ
・アナベル死霊人形の誕生➡アナベルは内容の繋がりがあるが、一方のみでも一応成立する
・死霊博物館(本作)は全然毛色が違う

感想

ジェームズ・ワン監督がこの作品をアナベル版ナイトミュージアムと評したらしく、公開当時もそんなキャッチフレーズで宣伝されていた。映画『ナイトミュージアム』では、自然史博物館の展示品が夜な夜な動き出す設定をベースに、主人公の成長譚のようなストーリーが展開されていく。なので、ウォーレン邸の地下にある「死霊博物館」の呪いの保管品たちが動き出すよ、まるでナイトミュージアムだね、みたいなことが言いたいのは分かる。

しかし、ナイトミュージアム状態に至るまでの経緯が酷過ぎた上、呪いの品々が軽んじられている印象を受けてしまい、純粋に楽しめる心境にならなかった。各々で1作品映画が作れるような“呪いの品々”も、あれではお化け屋敷の雑多なアイテムと同じ扱いである。

アナベル第1弾、第2弾についても賛否両論あるし、単体映画として死霊館本家ほどのインパクトはなかったかも知れないが、それでも前2作は一定の世界観を守って描かれていた。それが、第3弾で突然心霊遊園地のようになっただけでなく、彗星のごとく現れたダニエラという新キャラによってひたすらイライラを溜めなくてはならない展開になってしまったのが、とても残念だった。

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