【考察】映画『ベター・ウォッチ・アウト:クリスマスの侵入者』|事前情報無しで見たいクリスマスムービー

【苦手トリガーチェック】
虫:なし、体内侵入:なし、身体損壊:あり、子ども被害:あり、動物被害:なし

ここからネタバレがあります!未視聴の方はご注意ください!

本作は、3つの事件が連なる構造になっており、どんでん返し要素を含む結末となっている。序盤では主役のルークが被害者のように設計されており、またライトなタッチからホームアロ●ン的なアレを予想させておいて、実際にはだいぶ違う方向へと進んでいき、視聴後にはルークへの印象が180度変わるのだ。

●動機は単なる『恋心』なのか
強盗事件を捏造してでも株を上げたい➡今カレ・元カレを粛清したい、という【アシュリーへの恋心】が動機に見えた事件。しかし、最終的に彼女の喉を掻き切った事実から、アシュリーと結ばれることが真の目的ではなかったことが明らかになる。

●どうしてこうなった
今回の事件の最終目的としては『アシュリーを支配したい』という言葉に集約できそうだ。しかし、その背景には彼の歪んだ無意識や特性が複雑に絡んでいると思われる。

バカデカ自己愛:デアンドラは、ルークを年齢以上に幼く扱っていた描写がある。過保護に見える部分もあり、それによってルークの自己愛は肥大したのだろう。そのため、アシュリーからの拒絶を受け入れることが出来なかった。だからこそ、計画を通じて無理矢理にでも支配しようとしたと考えられる。

分離の失敗:本来彼の年齢であれば、徐々に親から精神的に自立していくのが自然だろう。だが、未だに胎内音を聞きながら寝ているなど、分離に失敗していることが分かる。にもかかわらず、デアンドラが『寝かし付けをやめて』しまったことで、ルークは一方的に拒絶されたように感じた。その反発として、アシュリーに替わりを求めた部分もあるだろう。

共感性、ナシ:Truth or Dareのゲームを通じてアシュリーが暴露したのは、2年前にギャレットのハムスターを殺した事実。つまり、少なくとも数年前から小動物への虐待行為があったことになり、サイコパス的素養とでも言うべき共感性の欠如を伺わせる。なお、このゲームのやり取りはルークが内に秘めた残忍な性質と、ギャレットとルークの真の関係性が判明する、重要な意味を持っていた。

●ザ・中学生男子
ギャレットは、年相応なおバカ具合とムードメーカー的な存在感で、ある意味本作の癒し担当だった。以前からルークの手を借りていろいろと悪さをしてきたようだが、ルークの本性に気付くことは出来なかったらしい。序盤こそ彼の方が成熟しているようにも見えたが、本性をあらわにしたルークの前では忠実な僕と化していた。

●IFシナリオ?
もし、あの時ギャレットがアシュリーに口づけをしていなかったら、ギャレットは生存ENDを迎えたのだろうか。恐らく、いずれはルークに殺されたと推測する。ルークにとってギャレットを生かしておくメリットが全くないからだ。ギャレットが生き残るためには、もっと早い段階からアシュリー側に寝返るしか道が無かったと思われる。

凄い好き!凄い面白い!という作品ではないが、新たなクリスマスの定番ムービーに成りえるくらいのインパクトはあった。ご都合主義な点もあるが、そこはブラックコメディとして許容できる範疇だろう。二段構えのどんでん返しはさすがに想定外で、そうくるか!の心地よさが味わえた。

ヒロインアシュリーのキャラクター性にも好感が持てる。序盤のいたずらの時点から、危険を察知して対処する能力がとても高く描かれていた。また、ルークの飲酒やボディタッチも大人の対応で窘めており、これこそ理想のベビーシッターと言う感じ。ルークが立てた作戦は巧妙で、アシュリーが逃げたり通報したりする手段はことごとく潰されていた。しかし、じっくり時間をかけ様々な可能性を想定して計画を立てられるルークと違い、アシュリーは危機と隣り合わせの状態で迅速に対応しなくてはならなかった。そう考えると、年齢差を抜きに考えても、アシュリーの方がルークよりも数段上だったように思える。

ところで、ギャレットのような【なんとなく賢そうなのにバカ】みたいなキャラクターは好きなので、ダブルタップされた時はシンプルに悲しかった。

基本情報

【公開年】2020年
【監督】クリス・ペッコーバー
【キャスト】オリビア・デヨング、リーヴァイ・ミラー、エド・オクセンボールド、ヴァージニア・マドセン、パトリック・ウォーバートン、アレクサンデル・ミキッチ、デイカー・モンゴメリー
【登場人物】アシュリー(大学生/ルークのベビーシッター)、ルーク(中学生)、ギャレット(中学生/ルークの友達)、デアンドラ(ルークの母)、ロバート(ルークの父)、リッキー(アシュリーの恋人)、ジェレミー(アシュリーの元カレ)
ポストクレジットなし

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