
ジャンル:ホラー
監督:スティーブ・ベック
キャスト:ガブリエル・バーン、ジュリアナ・マルグリーズ、ロン・エルダード、イザイア・ワシントン、アレックス・ディミトリアデス、カール・アーバン、デズモンド・ハリントン、エミリー・ブラウニング、フランチェスカ・レットンディーニ
登場人物:マーフィー(サルベージ船船長)、エップス(クルー兼出資者)、ドッジ(クルー)、グリーア(一等航海士)、サントス(操舵士兼機関士)、マンダー(クルー)、ジャック・フェリマン(パイロット)、ケイティ(少女)、フランチェスカ(歌手)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:50/100(普通)
超ざっくりあらすじ
美を追求したイタリアの豪華客船「アントニア・グラーザ号」。40年前に突然消息を絶ったその船がベーリング海峡で発見された。マーフィー率いるサルベージ船の面々がフェリマンという男と共に乗り込んだが、不可解な現象に見舞われる。果たして、この船に隠された秘密とは。

事実関係・疑問・つっこみ など
船の秘密
●幽霊船?
ケイティが遊んでいたアルファベッドのブロックが勝手に動き“船へようこそ”と並んだり、エップスたちが立ち去ったあとでプールに大量の血が流れ込んだりと、幽霊船の物語かと思わせるスタート。しかし、むしろ幽霊たちの多くは被害者で、黒幕はマーフィーたちを誘い込んだジャック・フェリマンだった。
●フェリマンの正体
サタンに仕える魂の回収屋。要するに、パシリ。人間の魂に“悪の刻印”を焼き付けることが可能。刻印を押した魂は支配下における。
●魂の回収屋ってなに
船一杯分(何人分かは不明)の魂を集めてサタンに送るのが仕事。船が浮いている間は、“悪の刻印”がない魂も船に留めておける。船が沈没すると、支配下にない魂には逃げられる。今回、アントニア・グラーザ号に穴が開いていたので、マーフィーたちを誘い込み、船が沈む前に修復させようとした。
●フェリマンがしてきたこと
・ローレライ号で大量虐殺、生き残った人間のフリをする
・そこから救出される形でアントニア・グラーザ号に乗り込む
・アントニア・グラーザ号で大量虐殺
船内に、死後3週間程度の死体が発見されていたことから、“消息不明”になって以降、何度かマーフィーたちのように人間を誘い込んでいたと思われる。
●フェリマンのその後
本編ラストでフェリマンは金塊の箱を運んでいた。金塊の箱=サタンに運ぶ船の目印の可能性がある。また、船の爆発レベルでも無傷なところを見ると、単なる肉体的ダメージだけでは殺せない存在と思われる。これからもサタンのパシリとして生き続けるのだろう。
ケイティという少女
●生前のケイティ
先にニューヨークへ行った両親のところに向かうため、一人でアントニア・グラーザ号に乗船。甲板でのワイヤー大虐殺はなんとか逃れたものの、 (恐らく)フェリマンの手下たちから暴行を受け、最終的には船室内で首を吊って自殺。
●幽霊少女になってから
本作ではエップスとのみ交流していた。彼女の意思でコンタクトしていたのか、エップスに霊感があったのかは不明。40年前の真実をヴィジョンで見せたり、ガス爆発を事前に知らせようとしたり、協力的な存在だった。最後は船の爆破により魂が解放されて、他の乗客たちと共に昇天。
感想
本作の出だしは、この開始5分半のために観て良かったと思わせるくらいの素晴らしさだ。あのワイヤーシーンは映画史に残るレベルの、ホラー映画ベスト導入シークエンスとして語り継ぎたい。じわじわ体がスライドしたり、上半身が自分の下半身に手を伸ばしたりする描写に、なぜか妙なリアリティを感じた。ケイティを庇っていたキャプテンだけ頭がぱっくりいくのも良かった。ケイティの身長を考えると若干矛盾を感じるが、許容範囲とする。
そんなインパクト抜群の出だしから、どんどん勢いが下がって、唐突にサタンオチを持ってきたかと思ったら、メタル調の音楽が流れ悪役が再登場してエンドロール……これぞB級だ!それなりに豪華な映像だったから実際B級かは知らないが、いかにもB級だ!
ガブリエル・バーンがもともと好きなので贔屓目もあると思うが、マーフィーが、サントスの件で落胆~幽霊と一杯~フェリマンの秘密を握る~証拠品とともに溺死、のシークエンスなんかは、程よい絶望感と緊迫感があってよかった。
映画自体の雰囲気も嫌いではない。優美で絢爛な当時の豪華客船と、不気味な鉄塊となった現在の船の対比も鮮やかで、お化け屋敷感が引き立っていたし、その後のチラリズムする幽霊少女、血で満たされたプール、船内に残された死体……という展開もぞくぞくして好きだった。設定やオチがもう少し丁寧だったら、大傑作になったと思うなぁ。





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