「死霊館」(2013年)

ジャンル:ホラー
監督:ジェームズ・ワン
キャスト:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、リリ・テイラー、ロン・リヴィングストン、シャンリー・カズウェル、ヘイリー・マクファーランド、ジョーイ・キング
登場人物:ロレイン・ウォーレン(エドの妻・透視能力者)、エド・ウォーレン(ロレインの夫・悪魔研究家)、キャロリン(ペロン家母)、ロジャー(ペロン家父)、アンドレア(ぺロン家長女)、ナンシー(ペロン家二女)、クリスティーン(ペロン家三女)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:81/100(大大好き)

超ざっくりあらすじ

1971年、田舎の大きな家へ越してきたペロン一家は、様々な怪奇現象に遭遇するようになる。次第に悪化していく状況に耐え兼ね、母キャロリンは有名な心霊現象研究家であるウォーレン夫妻に助けを求める。すぐさま調査を始めると、その家には恐ろしい秘密があることが判明した。

ここからネタバレ注意

事実関係・疑問・つっこみ など

●家の歴史
ペロン一家が霊障を受けた原因は、引っ越した先の家の過去と深い関係があった。

◆1863年:農家のジェドソン・シャーマンが建築
・ジェドソンとバスシーバが結婚
・バスシーバが出産、しかし生後7日目に赤ちゃんを生贄に
・生贄の件が夫にバレると、バスシーバは大木で自殺
(庭の大木に登り悪魔に忠誠を誓い「土地を奪う者は呪う」と叫んで首を吊った)
◆1930年代:ウォーカー親子が入居
・ウォーカー夫人の息子ローリーが森で失踪
・ウォーカー夫人は地下室で自殺
(実際はウォーカー夫人がローリーを殺害)
・家が敷地内にあった別の少年が池で溺死
・近隣の家のメイドが自殺
◆1971年:祝!ペロン家入居

●霊障の原因
ペロン家の騒動はバスシーバと、彼女の呪いによって命を落とした過去の住人たちの仕業だった。

◆ローリーの霊
・オルゴールを通じてエイプリルと交信
・かくれんぼの際にタンスから手を叩く
・ジュディを「僕の隠れ家」へ呼ぶ
◆ウォーカー夫人の霊
・地下でロレインと遭遇
◆メイドの霊
・エドたちが調査開始後、キッチンに現れる

◆(おそらく)バスシーバによるもの
・愛犬セイディの死
・鳥激突
・キャロリンの体の痣
・ロレインの見た水没ジュディの幻覚
・ジュディへの直接霊障
・キャロリンへの憑依

バスシーバとはなんなのか?
魔女という位置付けだが、生前から魔女だったかは不明。死後に宣言通り呪いが発動しているので一般人ではないはず。わざわざメアリー・エスティとの関係が仄めかされていることも考えると「魔女だった」として問題なさそうだ。

●ペロン家の家族構成
夫婦2人、子ども5人の計7人で、娘たちからじわじわと霊障が広がっていった。ロジャーは長距離トラックドライバーなので不在の時間が長く、物理的にも精神的にも霊たちの影響を受けにくかったと思われる。

●キャロリンのチョイス
バスシーバに乗っ取られたキャロリンがモーテルから連れ帰ったのは、クリスティーンとエイプリルだった。なぜか。考えられる要素としては、クリスティーンとエイプリルの霊的な力の強さがある。

エイプリルは引っ越し当初からローリーと接触していたし、クリスティーンは毛布を取られたり足を引っ張られたり、直接的な霊障を誰よりも早く受けていた。霊側からすると二人とも、“近い”存在だったのかも知れない。

●五女エイプリル
末っ子のエイプリルは、あの騒動の最中にロレインがなくしたペンダントを回収して、ラストで返却するという重大な役目を果たした。ローリーとも普通に友情を育んでいたし、どこか特別な少女だったように見える。

各作品の事件の時系列としては下表①、映画公開順では下表②の通り。

【死霊館シリーズ】実在の心霊研究家エドとロレインをモデルとした悪魔祓い系ストーリー。(本作)
【アナベルシリーズ】エドたちが所有している呪いの人形アナベルにまつわるストーリー。
【死霊館のシスターシリーズ】シスターアイリーンが主役、1950年代のストーリー。

・死霊館シリーズはどれも単発で観てOK、だが公開順に観た方が細かい部分の繋がりを感じる
・死霊館2を見たあとで死霊館のシスターシリーズを見ると理解が深まる
・死霊館のシスター2は、死霊館のシスターを見てからがオススメ
・アナベル死霊人形の誕生➡アナベルは内容の繋がりがあるが、一方のみでも一応成立する
・死霊博物館は全然毛色が違い単発でも問題ない

感想

タイトルにも不気味な人形のキーヴィジュアルにも和ホラーのようなジメジメ感が漂っていて、完全に騙された。まさかの悪魔祓い。原題のThe Conjuringをほぼ無視しての「死霊館」がドンピシャしっくりくるわけじゃないが、「悪魔のほにゃらら」みたいなモリモリ二番煎じのタイトルにならなくて、本当に良かった。

何度見ても、溢れんばかりの家族への愛に号泣する。ロレインとキャロリン、二人の母がそれぞれ家族を思う時の表情が素晴らしく、家族への愛をもって【家族殺し】の呪いに打ち勝ったのは、芸術点が高い。

コメディリリーフ的なブラッドの活躍は予想外だった。顔を噛みちぎられても退場せず、暴れるキャロリンを押さえ込み、突如発砲された銃からエドの身を守り、お前やるじゃん!という気持ちになった。ラスト、「く~、いってぇな~」くらいのテンションでポーチに座っていた姿には、拍手喝采だ。

ある種オーソドックスな展開と、不快と紙一重の音楽と、時代設定に合わせたどこかノスタルジックな映像がマッチして、これぞ正統派ホラーという感じ。オカルトもいいけど、家族愛も味わいたいよね、という日には最適な映画である。

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