「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」 (2021年)

ジャンル:ホラー
監督:マイケル・チャペス
キャスト:ベラ・ファーミガ、パトリック・ウィルソン、スターリング・ジェリンズ、ルアイリ・オコナー、サラ・キャサリン・フック、ジュリアン・ヒリアード
登場人物:ロレイン・ウォーレン(透視能力者/エドの妻)、エド・ウォーレン(悪魔研究家)、ジュディ(ウォーレン家長女)、アーニー・シャイアン・ジョンソン(デビーの恋人)、デビー・グラツェル(グラツェル家長女/デイビッドの姉)、デイビッド・グラツェル(グラツェル家長男)
ポストクレジット:なし
ポテッチの好き度:40/100(あんまり)

超ざっくりあらすじ

1981年。少年デイビッドの壮絶な悪魔祓いが行われ、彼はなんとか救われた。ところが今度は、悪魔祓いに居合わせていた青年アーニーが凄惨な殺人事件を起こす。果たしてそれは悪魔の仕業なのか。調査を進めるウォーレン夫妻の前に立ちはだかる敵は、やがてその牙を別の者にも向ける。

ここからネタバレ注意

事実関係・疑問・つっこみ など

●デイビッドからアーニーへ
少年デイビッドにとりついた悪魔は、悪魔祓いをしているエドの心臓を止めたのち、「僕が代わりになる」と宣言したアーニーに移動した。アーニーが「悪魔と話すな」というエドの忠告を無視した結果である。その後憑依されたアーニーは、ブルーノをめった刺しにして殺害。最後まで悪魔の名前は明かされなかった。

●裁判
殺人事件を起こしたアーニーは第一級殺人事件の容疑で逮捕され、裁判にかけられる。真相を知るエドたちは弁護士に悪魔のせいであることを訴える。結論としては、【悪魔のせい】でも【無罪】にはならなかったが、弁護士は憑依を信じた模様。懲役5年で出所したようだが、減刑されたわけではなく模範囚だったから。

●憑依の原因
そもそもデイビッドが悪魔に狙われたのは、悪魔召喚の生贄にされたから。悪魔崇拝者のアイラという女が、生贄とする人間の家の下に呪いの置物=“魔女の彫像“を設置すると悪魔の憑依が始まる。デイビッドの家の地下で彫像をロレインが見つけたことで、事件解決に繋がった。

●黒幕は、アイラという人間
・ロレイン達の相談役のようなポジションで登場したカスナー神父の娘
・母親は産後に亡くなり、カスナーが一人で育てた
・カスナーは長年オカルト研究に没頭していた
➡アイラに隠れて研究をしていたことが、かえってアイラの興味を引いたと語る

アイラの立場で考えると、生まれた時から母は不在、父は神父として神に仕える一方でオカルト研究に没頭している環境。両親を奪った神への反抗心のようなものが芽生えても不思議ではない。そんなアイラの手の届くところにオカルトや悪魔崇拝といった選択肢が転がっていた状況なので、神父の撒いた種にも見えた。

●アイラの実力
立派な悪魔崇拝者となったアイラは、人間離れしたいろいろな技を駆使し、に悪魔復活の儀式を進める。

・別の場所にいるアーニーの前に姿を見せたり、頭を鷲掴みにしたりする(という幻覚を見せる)
・拘留されているアーニーに対し、遠隔で、聖水の瓶を割って自殺するよう仕向ける
・地下に辿り着いたエドに対し、ロレインの幻覚をまとって近づく
・エドに砂?粉?を吹きかけ、ロレインが悪魔に見えるようにする

いくらなんでも強すぎるだろ!!というレベルで、悪魔が召喚の見返りとしてアイラに力を分けていると考える方が妥当。実際、祭壇に写真を置かれた「ターゲット」のアーニーやジェシカには遠隔操作を行えていたが、カスナーやロレインを襲う時には遠隔ではなく直接攻撃を仕掛けていた。

●召喚しようとしていた悪魔
「魔女の彫像」については、特定の儀式やカルト集団と結びつく情報は探せなかった。悪魔の名前も不明で、明らかになっているのは、悪魔の召喚には「子ども」「恋人」「信心深い男」という3人の生贄が必要という条件だけ。

<今回ターゲットになったみなさん>
【子ども】デイビッドが選ばれたが、アーニーに移動。悪魔的にはアーニーでもOKだったらしい。
【恋人】ジェシカ・L・ストロングという女子大生。高校からの友人ケイティと恋人関係にあった模様。
【信心深い男】エド。ロレインと意識を共有したアイラがエドの存在に辿り着いた。ターゲットに定めると、早速家に彫像を送りつけ、その後はエドを利用してロレインを排除しようとした。ストーカー気質バリバリだ。

●事件の“被害者”
アイラから呪いを食らったアーニーたちも被害者だが、事件そのものの被害者はブルーノである。ブルーノは、自身のケンネルでデビーを雇い、その上でアーニーと共にタダで居候させてあげていた。ちょっと空気の読めない強引なところがあり、多少粗野かも知れないが、悪い奴には見えなかった。

各作品の事件の時系列としては下表①、映画公開順では下表②の通り。

【死霊館シリーズ】実在の心霊研究家エドとロレインをモデルとした悪魔祓い系ストーリー。(本作)
【アナベルシリーズ】エドたちが所有している呪いの人形アナベルにまつわるストーリー。
【死霊館のシスターシリーズ】シスターアイリーンが主役、1950年代のストーリー。

・死霊館シリーズはどれも単発で観てOK、だが公開順に観た方が細かい部分の繋がりを感じる
・死霊館2を見たあとで死霊館のシスターシリーズを見ると理解が深まる
・死霊館のシスター2は、死霊館のシスターを見てからがオススメ
・アナベル死霊人形の誕生➡アナベルは内容の繋がりがあるが、一方のみでも一応成立する
・死霊博物館は全然毛色が違い単発でも問題ない

感想

いよいよアイラが儀式を完了させるべく動き出した夜。エドとドルー、そしてロレインは事件解決に向け役割分担をして、アーニーの元を離れなくてはならなかった。ここからの、平行して物事が進み、徐々に危機が迫ってくる緊張感が斬新でよかった。過去2作では、取り憑かれた者とロレインたちは物理的にそばにいたため、こういった演出は見られなかった。ロレインが神父に会いに行くと、アイラはその家の地下に祭壇を作っていた、というのは少々ご都合感があったが、観ている最中にはそこまで気にならない程度。

本編は、エドが庭に思い出のあずまやを立てロレインにサプライズでプレゼントした場面で終わる。この作品が、エドとロレインとの夫婦愛を主軸に描いていることの象徴だろう。

心疾患を抱えたエドは、薬を常備し杖をついて歩くようになってしまった。その姿にはショックを受けたが、それでも、彼は体を張ってロレインを助けるために動き続ける。ロレインがジェシカの居場所特定のために霊視し、その後崖下に引きずり込まれそうになった時にも、すんでのところで助けたのはエドだった。心臓疾患を抱えたエドよりも足が遅いあの刑事は、普段どんな働きぶりをしているのだろう。仮にデスクワーク担当にしても、もうちょっと頑張れ。

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